Web標準化団体のWeb Standards Project(WaSP)が、Internet Explorer(IE)を使うのを止めて他のブラウザに乗り換えることを勧めるキャンペーン「Browse Happy」を開始し、欧米で話題を呼んでいる。
WaSPは1998年に設立された団体。ブラウザに固有の命令や操作方法を使うのを止め、W3Cなどによって合意が得られた標準規格のみを使用することで、どのブラウザを使用しても同じ画面が得られるようにすることを目指している。最近ではブラウザ独自の機能は少なくなってきたため、Webサイト開発者が標準規格を使うことを学ぶための活動を展開している。
WaSPがIEを放棄するよう勧めるのは、この団体が反Microsoft的であるからではなく、むしろもっと現実的な理由であるように見える。WaSPの説明では、Microsoftはブラウザを改良する努力を続けてきたが、依然としてIEにはセキュリティ上の問題や標準規格準拠の問題などが山積みしており、これらの問題を根本的に解決するための次期IEは、Windowsの次期バージョンがリリースされる遙か先になるまで入手できないことを指摘している。
このような問題があるとはいえ、市場にIEしかブラウザが存在しないのなら仕方がない。しかし、現に市場にはWeb標準化規格を速やかに取り入れ、今のところセキュリティ上の問題が少ない他のブラウザがいくつかあることにWaSPは注意を向けている。今回のBrowse Happyキャンペーンは、その目的のために立ち上げられた。
キャンペーンのWebサイトでは、「IEは貴方のコンピュータを危険にするかもしれません。なぜもっと安全なブラウザに乗り換えないのですか」と呼びかけている。その上でIE以外のブラウザを使用している体験談を載せ、Firefox、Mozilla、Opera、Safariの特徴と入手方法を説明している。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://webstandards.org/act/campaign/happy/
キャンペーンサイト(英文)
http://browsehappy.com/
関連記事:Web Standards Projectがブラウザーアップグレードキャンペーン
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2001/0219/wsp.htm
関連記事:「Microsoftはブラウザーに標準規格を正確に実装せよ」
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0630/wasp.htm
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/08/27 11:54
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