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米Symantecのネットワーク&ゲートウェイセキュリティソリューション担当上級副社長を務めるエンリケ・セーラム氏
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シマンテックは10日、スパムメールに対する同社の取り組みについての説明会を都内で開催した。米Symantecのネットワーク&ゲートウェイセキュリティソリューション担当上級副社長を務めるエンリケ・セーラム氏により、スパムの現状と今後のシマンテックのスパム対策などが紹介された。
セーラム氏はまずスパムの現状について、現在では全メールに占めるスパムの割合は65%にも達しているというデータを紹介。以前のスパムは単純なテキストメールだったが、現在ではウイルスメールのように特定のプログラムをインストールさせようとするものや、フィッシング詐欺を目的としたものなど、より深刻な影響を与えるスパムが増加しているという状況を説明した。
また、スパムメールは社内のIT資産や従業員に対して被害を与えるのに対して、フィッシング詐欺のメールは企業ブランドや顧客に対して被害を与え、マーケット全体にもインターネットに対する信頼感も失わせるという点で、より大きな脅威となっているとして、フィッジング詐欺への対策が急務であると訴えた。
スパムが増える理由としては、現在では1億件のメールアドレスが100ドル以下で入手できる状況となっており、スパム業者にとっては返信率が0.001%でも採算が取れること、法律による規制も国外の業者には抑止力にならないといった問題点を挙げ、スパム業者はセキュリティの弱いサーバーを経由して配信しているため発信元を特定するのも困難になっているという現状を示した。
こうした巧妙化するスパムへの対策としては、複数の技術を組み合わせることが重要であるとして、送信者のブラックリストやURLフィルタリング、おとりアカウントを利用したスパムメールの収集により得られる分析など、シマンテックでは現在15種類の技術による防御を行なっていることを紹介した。こうした複数の技術による防御を行なうことで、スパム業者はそれぞれの防御策に対抗する手段を開発しなければならず、結果的にスパム配信を採算が合わないビジネスにすることが重要だとした。
また、今後の対策としてはIDベースのフィルタリングが重要であり、現在唯一の信頼できる身元であるIPアドレスを利用するSender IDや、電子署名ベースの送信者認証技術であるDomainKeysなどの活用が欠かせないとして、シマンテックでもこうした技術に取り組んでいくことを強調した。
現在、シマンテックでは世界4カ所のオペレーションセンターでスパムの分析を行なっており、200万以上のおとりメールアカウントを利用して、1日に数千万のスパムメールを処理し、スパムメールフィルタの自動生成や有効性の確認を行なっているという。セーラム氏は、日本でも近日中にオペレーションセンターが稼動する予定だとして、日本では特に携帯電話向けのスパムメール対策も重要だと語った。また、今後のスパム対策としては、テクノロジーの開発とあわせて、国際的な法整備やエンドユーザーへの啓蒙が重要であると述べた。
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進化、増加を続けるスパム
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今後のスパム対策として重要となるIDベースのフィルタリング
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シマンテックのスパム対策オペレーションセンター
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複数の技術の組み合わせによりスパムをブロック
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関連情報
■URL
シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
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( 三柳英樹 )
2004/09/10 18:54
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