ソフトバンク・グループのクラビットは28日、ビー・ビー・ケーブル(BBケーブル)株式会社をソフトバンクBBへ譲渡するなどを取締役会で決議したと発表した。BBTV事業は今後、ソフトバンクBBなどソフトバンク・グループ全体で支援するという。クラビットは、Yahoo! BB会員向けの映像配信サービス「BBTV」事業を展開するBBケーブルへの先行投資や立ち上げ費用で連結損失を計上していた。
クラビットでは、これまで連結で取り込んでいたBBケーブルの損失を単体の特別損失として計上。今後はBBTV事業関連の費用はクラビットの連結対象から外れるため、「当社の連結損益は大幅な改善が見込まれる」という。BBケーブル支援体制については、「クラビットがこれまで培ってきた放送業界に対する人脈などを活かしたい」としている。
ソフトバンクBBによれば、2004年9月時点でBBTVのユーザーは1万人程度だという。「ユーザー数を増加させる具体的な方法は現時点では未定だが、BBケーブルがソフトバンクBBの子会社になることで、Yahoo! BBの他のサービスとも連携しやすくなるはずだ」としている。
発表されたクラビット取締役会での決定事項は、1)BBケーブルの増資による債務超過の解消とBBケーブル全株式のソフトバンクBBへの譲渡、2)BBTVサービス向けSTBのソフトバンク・ブロードメディアへの資産譲渡契約の締結、3)BBケーブルに対するコンテンツ調達支援業務の実施と「コンテンツ開発事業部」の新設――の3項目。
1)のBBケーブル譲渡については、まず、クラビットが9月28日付けでBBケーブル発行の新株79,680株を1株5万円で引き受け、BBケーブルの債務超過を解消。9月30日にソフトバンクBBに対して、クラビット保有のBBケーブル全株式83,680株を譲渡する。株式譲渡金は1,000万円。株式譲渡と同時にソフトバンクBBでは、BBケーブルに対する貸付金残高14億6,600万円をクラビットに対して全額返済するという。
2)に関しては9月28日付けで、クラビットが保有する全STBをソフトバンク・ブロードメディアに簿価額12億1,963万6,000円と同額で譲渡する。なお、この譲渡契約については12月上旬のクラビット臨時株主総会における決議をもって発行となる。
3)についてはBBケーブルの譲渡と同時に実施。クラビット社内に「コンテンツ開発事業部」を新設し、クラビットからBBケーブルに対してコンテンツの調達支援などを行なうとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(クラビット)
http://www.clubit.co.jp/pr_txt.html?articleid=119
ソフトバンクBB
http://www.softbankbb.co.jp/
ソフトバンク・ブロードメディア
http://www.broadmedia.co.jp/
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( 鷹木 創 )
2004/09/28 22:07
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