インターネットバブル期にユニークなアイディアで多くのドットコム企業を生み出したインキュベータ/ベンチャーキャピタルの米Idealabとその創業者であるBill Gross氏が6日、現在のサーチエンジンのあり方に一石を投じるサーチエンジンのベータ版を公開した。
このサーチエンジンは「Snap」と名付けられている。特徴は、検索キーワードを入力し、検索結果を眺め、探しているサイトがなければキーワードを再入力する──という従来のサーチエンジンに見られた繰り返しをやめたところにある。むしろ、検索結果の表示順をユーザーがコントロールできるようにしたことで、ユーザーのフィードバックによって検索結果を改善するとともに、ユーザーに広告料金やトラフィックなども公開して情報の透明性を図っている。
Snapで検索すると、検索結果の上部にJavaScriptで記述されたツールバーが表示される。ツールバーには、検索結果としてリストアップされたWebページの人気度、満足度、トラフィック数、ドメイン名による分類などの項目があり、そこにある矢印をクリックすることで自分の望む“尺度”によって検索結果を一瞬で並べ替えられる。そのため、サーチエンジンによる検索結果の表示順を押し付けられることがない。また、検索結果のリンクをクリックすると、そのデータそのものがサーチエンジンにフィードバックされ、次に検索を行なうユーザーの検索結果にも即座に反映される。
ショッピング比較エンジンも内蔵されており、例えば「digital camera」と入力すれば価格や画素数、重さなどさまざまな項目によって同様に並べ替えることが可能だ。このように、入力する検索語によって適切な検索結果の表示方法が取られ、広告の表示方法にも工夫がなされているため、表示された情報をこれまでよりも早く判断し、次の行動に進むことができるように工夫されている。
さらに注目すべきことは、Snapに集まるトラフィックの詳細やそれぞれのキーワードに対する広告料金など、およそ広告主が必要とするあらゆる情報をさまざまな表示方法で整理し、誰でも閲覧できるようにしていることだ。この“透明性”が非常に重要であると、Gross氏は自身のブログで説明している。
サーチエンジンのユーザーインターフェイスに工夫を凝らす多くのサイトはバックエンドにGoogleを使用しているが、Snapは提携先としてそれ以外の企業、例えばLookSmart、Gigablastやオープンディレクトリプロジェクトのdmoz、ショッピングサーチエンジンのSmart.comなどと提携している点も興味深い。残念ながら、現在日本語は使用することができないが、英語で検索を行なう場合にはかなり適切な検索結果と表示順を得ることができるのは驚きである。
関連情報
■URL
Snap(英文)
http://snap.com/index.php
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/10/07 13:28
- ページの先頭へ-
|