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ネット上の人権侵害、法務省からの削除依頼にも適宜対応〜業界団体


 テレコムサービス協会、電気通信事業者協会、日本インターネットプロバイダー協会の3団体で構成する「プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」は6日、「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」を一部改訂した。インターネット上の人権侵害行為について、法務省の人権擁護機関からプロバイダーに対して情報の削除依頼があった場合の対応プロセスを明確化した。

 同ガイドラインは、「プロバイダ責任制限法」の施行にあわせて2002年5月に公表されていたもの。インターネット上のBBSやホームページなどにおける名誉毀損やプライバシーの侵害行為に対する削除依頼について、プロバイダーがどう対応すべきか行動指針が示されている。従来は、被害者本人から依頼があった場合についてのみ指針が示されていたため、第三者である法務省からの依頼については戸惑うプロバイダーもあり、迅速な対応がとられない場合もあったという。

 インターネット上で人権を侵害された被害者から法務省へ寄せられる相談は、2001年に30〜40件だったものが、2003年には80件に倍増。ただし、その多くは法務省が援助して被害者本人からプロバイダーに削除依頼を行なうかたちで処理されており、法務省から直接プロバイダーに要請することは少なかった。その一方で、最近では少年事件の加害者についての情報がインターネット上で公開されるなど、人権侵害の被害者本人がプロバイダーに対して削除を依頼することが困難な事例も増えており、法務省からの削除依頼に対しても、より迅速に対応することが期待されていた。

 法務省が削除依頼を行なう際のプロセスは、以下の通りとなる。被害者以外の第三者から法務省に対して人権侵害の指摘が寄せられた場合など、各法務局・地方法務局において、1)人権擁護上、看過できない事案であるかどうか、2)被害者自らが被害の回復・予防を図ることが諸般の事情を総合的に考慮して困難と認められる事案かどうか──を検討。さらに法務省人権擁護局による再検討と承認を受けた後に、各法務局・地方法務局の局長名でプロバイダーに対して削除依頼を行なう。緊急性や重大性を考慮し、法務省人権擁護局長名で直接削除依頼を行なう場合もある。

 これに対してプロバイダーでは、法務省からの削除依頼について、1)URLなどの侵害情報が特定されていること、2)侵害情報をプロバイダーが自ら確認し、ガイドラインの判断基準に照らして、他人の権利を不当に侵害したと信じるに足る相当の理由があることが明白であること──などの条件がすべて確認できた場合に、実際に情報の削除を行なうかどうかの判断に移る。これらの条件を確認できる、削除依頼の書式も用意した。

 なお、ガイドラインに法的義務はなく、法務省の要請を尊重しつつも、削除措置をとるかどうかの判断はあくまでもプロバイダー側が下すことになる。また、協議会ではガイドラインの改訂について3団体に加盟する600社以上に通知しているが、それ以外のプロバイダーについても、このガイドラインが受け入れられることを期待しているという。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.telesa.or.jp/019kyougikai/html/01provider/index_provider_041006.htm
  関連記事:テレサ協、プロバイダー責任法ガイドライン案を公開
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0415/telesa.htm
  関連記事:テレコムサービス協会桑子氏講演「プロバイダ責任制限法のすべて」
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0227/ipnet7.htm


( 永沢 茂 )
2004/10/07 19:31

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