フロッピーディスクやCD-ROMを通して感染を広げる極めて破壊的なウイルスの報告数が増加傾向にあるとフィンランドのセキュリティ企業F-Secureが警告している。F-SecureによるとこのウイルスBacrosは9月初めに感染例が発見されたが、最近になってこのウイルスに関する問い合わせが増加しているという。
Bacrosは発見するすべてのフロッピーディスクに自身をコピーしようとする。またCD-Rディスクを発見すると自分自身を書き込み、AUTORUNファイルまで作成するため、そのCD-Rディスクが他のコンピュータに挿入されると同時にBacrosに感染する。
さらに感染を広げるためにテキストファイルを攻撃する。Bacrosは「README.TXT」ファイルを発見すると同じディレクトリに「README.EXE」を作成し、テキストファイルそっくりのアイコンにする。このファイルが実行されても元のREADME.TXTが表示されるため、ユーザーに気付かれずに感染してしまう。
Bacrosの大きな特徴は、極めて破壊的なことだ。まずすべてのGIF画像ファイルを「KUOLE JEHOVA」という画像に書き換えた上に、クリスマスの当日にはシステム上のすべてのファイルを消去するという暴挙に出る。
ウイルスと言えばメールワーム、ファイル共有、脆弱性で感染を広げるのが最近の常識だ。こうしたインターネットのセキュリティに注意するのはもちろんのことが、出所が不明なフロッピーディスクやCD-ROMや海賊版のCD-Rには手を出さないという基本認識も大事だろう。
■URL
F-Secureの公式ブログ(英文)
http://www.f-secure.com/weblog/#00000314
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/10/18 10:12
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