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TRON PROJECTについて、「当時の橋本龍太郎通産大臣が米国の圧力に負けて、握り潰してしまった過去がある」とコメントする石原都知事
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東京都は、「2004年東京都ベンチャー技術大賞」の表彰式を、東京ビッグサイトで22日から23日にかけて開催している「産業交流展2004」で実施した。大賞は、ファイバーテック株式会社の「挿管用ビデオ喉頭鏡FVL-601i」。表彰式には石原慎太郎都知事も出席した。
東京都ベンチャー技術大賞は、革新的な技術や製品開発に挑むベンチャー企業を育成支援し、顕彰するというもの。2004年度のテーマは「付加価値の高いものづくり~新たな市場を創造する~」で、革新的な新機軸を取り込み、高い市場効果を生み出すベンチャー企業が開発した技術・製品を表彰するという。大賞には副賞として300万円を贈呈。優秀賞、奨励賞も設定されている。
石原都知事は受賞者に対して、「本当におめでとうございました、というより都民を代表して感謝と敬意を申し上げる」と祝意を表した。「人間の歴史において、発展の引き金になるのは技術。しかし、わが国では一部の政治家が、今回表彰されたような技術を握りつぶしたり、無視してきた経緯があった」とし、「あたかも日本にはオリジナルの技術がないような評判までされるようになった」という。
例えば、東京大学大学院情報学環の坂村健教授による「TRON PROJECT」について、「当時の橋本龍太郎通産大臣が米国の圧力に負けて、握り潰してしまった過去がある」と説明。「しかし、TRONはその後トヨタに採用され、今では多くの携帯電話にも採用されている。なくてはならない存在になった」と日本発の技術であるTRONの隆盛ぶりを強調した。
「日本が周辺諸国と対等に付き合うためには、なんと言っても技術が大事だ。東京都も中小企業向けに融資を行なう。ベンチャー企業と手をつないで日本をもっといい国にしたい」と決意を語った。
表彰式では、石原都知事自ら受賞者を表彰した。大賞には、ファイバーテック株式会社の「挿管用ビデオ喉頭鏡FVL-601i」を選出。FVL-601iは、気管内挿管を行なう際に使用する喉頭鏡に電子内視鏡を付加した医療用器機だ。審査委員長を務めた東京都立科学技術大学の石島辰太郎学長によれば、「2004年7月の法改正により、救急救命士が現場で心肺停止状態の患者に気管内挿管できるようになった」とし、「(FVL-601i)規制緩和の流れに乗った製品で、実際に現場で多くの命を救っている」と評価した。
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2004年東京都ベンチャー技術大賞の受賞者たち
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大賞を受賞したファイバーテック株式会社の「挿管用ビデオ喉頭鏡FVL-601i」
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受賞各社のブースを回る石原都知事
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説明を熱心に聞いていた
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関連情報
■URL
2004年東京都ベンチャー技術大賞表彰式の結果について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2004/10/20eam400.htm
産業交流展2004
http://www.sangyo-koryu2004.jp/
( 鷹木 創 )
2004/10/22 20:32
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