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MSN Japanは「今年中に楽天を追い越し、3年後にヤフーと肩を並べる」

マイクロソフトの塚本良江執行役MSN事業部長

 マイクロソフトは28日、報道関係者向けの月例説明会を開催し、塚本良江執行役MSN事業部長がMSN Japanの事業戦略を語った。検索サービスとコミュニケーションサービスを核に、楽天とヤフーに挑む。


MSN Japanはユーザーの“活性率”が最も高いサイト

マイクロソフトの塚本良江執行役MSN事業部長
 塚本事業部長によると、MSN Japanは毎月3,200万人が利用しているが、「残念ながら国内ではヤフーがナンバー1。(MSN Japanは)インターネットサイトの媒体力としてはナンバー2」に止まっていると説明。しかしながら、アクティブなユーザーが月間1,000万人いるとして、「ヤフーや楽天が2,000万を超える登録者数がいると報告しているが、基本的にそれは蓄積ベースの数字。(MSN Japanは)日本のインターネットサイトの中でも、最も活性率の高いお客様を抱えているサイトと言える」と強調した。

 月間ページビューは25億以上を獲得しており、サービス別の内訳を見ると、最も多いのが29%を占めるHotmail。これにMSNメッセンジャーなどを加えると、コミュニケーション系のサービスで4割弱を占めるという。次いで25%の検索、ホームページの18%、ニュースの8%と続いている。このことから、「ブロードバンドの時代が来たが、まだまだユーザーは検索とコミュニケーションサービスを主体に使っている」と指摘。MSN Japanの事業戦略として、独自開発による検索エンジンや新しいコミュニケーションサービスの導入を中心とした5つの柱を挙げた。


MSN Searchは“Web検索”の中でトップを目指すわけではない

MSNサーチの次期ビジョン
 MSN独自の検索サービスとしては、すでに「MSNサーチ Technology Preview 2.0」が試験公開されている。これまでマイクソフトはWeb検索の分野において、他社の技術をバックエンドで採用し、自社の検索技術は開発してこなかったが、「まったく検索というものをやってこなかったのではなく、Web上の検索をやってこなかっただけ。OutlookやWord、Windowsなどのソフトウェアの中には常に検索技術があり、どうやったらデジタルインフォメーションをうまく整理できるかについてはずっと研究してきた」という。これを2004年度中に開発を終え、正式リリースすることが事業戦略上の最優先課題だという。

 そのMSNの検索技術について塚本事業部長は、「一般的に、Web上にあるのは、人が探したい情報の20%に過ぎないと言われている。マイクロソフトとしては、この20%の領域を100%近くまで増やしていきたい。自分の探したい情報のいちばんコアなところは、自分のPCの中あるいは会社のイントラネットの中に入っていることが多いことと思う。Webの検索に加えて、イントラネットの検索もデスクトップの検索もシームレスにできるという方向に(検索技術を)を深めていく」と説明する。「つまり、Web検索の中でトップを目指すのではなく、ユーザーが情報を検索した際に、情報がどこにあるのかは関係なく、欲しい答えがいつでも見つけられる検索エンジンを作っていくのが我々の検索の次期ビジョン、我々の夢」と述べた。


2007年までの3年計画でヤフーに追い付く

 コミュニケーションサービスについては、「メールやメッセンジャー、通話など、いろいろなものがインターネット上のコミュニケーションとして存在していた。これらが融合するようなかたちのコミュニケーションサービスを導入する。もちろん、それぞれのサービスも強化し、その上で“Integrated Communication”というコンセプトを作っていきたい」という。

 なお、MSNメッセンジャーの国内利用者数が470万人に達し、メールに比べると市場は小さいものの、「国内の75%以上のシェアを持っている。コミュニケーションサービスにとって、利用者が多いということは非常にクリティカルな要素」と説明。国内のメッセンジャー市場は、「圧倒的にMSNが支配的なサービス」だと強調した。

 このほかMSN Japanでは、モバイル分野におけるPCと統合したサービスの展開、コンテンツ分野におけるパートナー戦略の推進、音楽ダウンロード販売サービス「MSN Music」などのエンターテイメント分野の新市場開拓──が事業戦略の柱となっている。ただし、やはり利用が集中しているのは検索とコミュニケーションだとしており、特にこれら2つの分野をベースに事業を強化することで、「2007年10月までの3年計画で、まず今年中に楽天を追い越し、3年でヤフーと肩を並べるぐらいの規模の視聴率を獲得することで、市場を勝ち抜いていきたい」と述べた。


関連情報

URL
  MSN Japan
  http://www.msn.co.jp/
  MSNサーチ Technology Preview 2.0
  http://techpreview.search.msn.co.jp/

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( 永沢 茂 )
2004/10/28 21:25

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