独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は2日、オープンソースソフトウェアを活用したデスクトップ環境について、学校教育現場での実用を目的とした実証実験を公募し、2件の採択が決定したことを発表した。
今回採択されたのは、1つは三菱総合研究所を代表とする企業グループによる、小中学校8校に合計275台のLinux PCを導入し、1,000人以上の生徒が授業で利用する実証実験。もう1つは、アルファシステムズによる高校・大学を中心とした8校にCD起動のLinuxによるIT教育システムを導入し、約800人の生徒が授業で利用するもの。
三菱総合研究所を代表とした実証実験には、三菱総合研究所のほか、アルゴ21、キヤノン、サン・マイクロシステムズ、ジャストシステム、シャープシステムプロダクト、日本アイ・ビー・エム、ターボリナックス、ビジネスサーチテクノロジが参加。つくば市内の5校と岐阜県内の3校にLinux PCを導入し、授業での利用について検証する。
実験に参加するサン・マイクロシステムズでは、今回の実験にデスクトップ環境「Sun Java Desktop System」が採用されたことを発表した。同製品がオープンスタンダードにより開発され、コミュニティやユーザーからのニーズを取り入れて機能拡張している点や、サンがMicrosoft Officeに代わるOffice製品「StarSuite」を有していることも大きな理由として、今回の公募において採用されたとしている。
アルファシステムズが行なう実証実験では、愛知県立東海商業高校や拓殖大学、北海道工業大学など全国8校に対して、CD起動のLinux「KNOPPIX」を利用したシステムを導入し、授業での利用について検証する。アルファシステムズではKNOPPIXによるデスクトップ環境のほか、授業で利用するアプリケーションや課題提出用のファイルサーバーなどを提供し、KNOPPIXが教育機関の種別や学問分野を問わず、実用に耐えることを実証する。
実証実験の期間は2005年6月までとなり、IPAでは、これらの実証実験で得られたノウハウやソフトウェアなどの成果を公開し、広く利用できるようにする方針としている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ipa.go.jp/software/open/2004/stc/edukekka.html
Sun Java Desktop System
http://jp.sun.com/products/software/javadesktopsystem/
KNOPPIX
http://www.alpha.co.jp/knoppix/
( 三柳英樹 )
2004/11/02 19:50
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