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ソフトバンク2004年度第2四半期決算発表、9月には単月度の黒字化を達成

〜孫社長、携帯電話やプロ野球など新規参入事業についても言及

 ソフトバンクは10日、2004年度第2四半期の連結決算説明会を開催した。ソフトバンクの孫正義代表取締役社長は、2004年9月に単月度の黒字化を達成した点や、営業キャッシュフローでは四半期ベースでの黒字化を達成した点を強調したほか、携帯電話やプロ野球など新規参入事業についても言及した。


日本テレコム買収で連結総資産は約2兆円

ソフトバンクの孫正義代表取締役社長
 ソフトバンクの2004年度第2四半期の売上高は、前年同期比で348億円増の1,563億円の黒字。営業損益は前年同期比で損失幅を121億円縮小し29億円の損失、経常損益も87億円を縮小して142億円の損失となった。しかし、当期純損益では前年同期比で544億円増加となる118億円の純益を計上した。なお、新規に日本テレコムが連結対象となることで、ソフトバンクの連結総資産は5,408億円増の約2兆円に達する。また、来年度以降の通期では連結売上高で1兆円規模になるという。

 孫氏は、9月に20億円の営業黒字を達成したことや、営業キャッシュフローでは四半期ベースでの黒字化を達成したことを強調。9月の黒字化は4月〜8月分の減価償却期間適正化の影響もあるとしながらも「着実にV字型で回復している。記念すべき四半期になった」と述べた。

 ブロードバンド事業を除いた営業損益は同年前期比で12億円減の133億円で、ブロードバンド事業の営業損益は同年前期と比べて20億円の縮小となる163億円の損失。「BB事業があくまでも中核」としつつも、「それ以外でも133億円の黒字。800社ほど投資しており、総じて収穫期に入りはじめた」とコメントした。

 純有利子負債については、従来からの負債については78億円ほど圧縮し、1,043億円となったが、日本テレコム買収に関わる代金や有利子負債を合計すると負債は総額4,116億円に上る。しかし、「換金性の高い償還原資が1兆9,521億円ある」「格付機関により格上げされており、市場の信任を得た」とし、財務的な問題はないとする見解を示した。


2004年度第2四半期の決算 新規に日本テレコムが連結対象となることで、ソフトバンクの連結総資産は5,408億円増の約2兆円に達する

固定回線の売上高ではKDDIを凌駕

 ブロードバンド事業は、2004年10月末のYahoo! BB接続回線数が454万件、ブロードバンドISPとしての会員数は日本テレコムのODNを含めて502万人と、どちらも業界でトップシェアである点を強調。ユーザー1人あたりの平均月収入(ARPU)は、2004年度第2四半期で4,190円となった。

 そのうち、ユーザー1人あたりの変動利益は約2,500円で利益率は62%にも達する。今後はBBセキュリティやBBソフト、オンラインゲームなどの付加サービスを提供することで、ユーザー1人あたりの変動利益を高めるという。なお、BBセキュリティについては、9月末時点までは無料サービスでライセンス数は22万だった。10月から正式サービスが始まっているが、有料ライセンス数は16万で「無料ライセンスの約75%が有料ライセンスに移行した」としている。孫氏は「サービス開始から2年間で変動利益は10倍以上になった。一方、設備投資などの固定費はほぼ横ばい。変動利益と固定費の差額が営業利益になるため、今後も営業利益は増大する」と解説した。

 ユーザー1人あたりの変動利益を高めるには、顧客基盤の拡大も大事だという。「455万回線のソフトバンクBBに、606万回線の日本テレコムと23万回線のケーブルアンドワイヤレス IDC(C&W IDC)が加わることで1,084万回線を達成する。固定回線の売上高規模ではKDDIを凌駕する」とコメント。ソフトバンクBBが個人、日本テレコムが個人と法人、C&Wが法人と国際通信をそれぞれ担当することで、サービスメニューの増加や設備稼働率の向上、人的資産の活用などのシナジー効果が認められるとした。


ADSLで電話を変えた。FTTHでテレビを変える〜FTTH向けストレージサービスも予定

 一部地域で「すでにユーザーへの接続を開始している」という「Yahoo! BB 光」サービスをメインに今後のサービス戦略にも言及。「ブロードバンドは電話とテレビとPCのすべてを包含するサービス」と持論を展開し、「PCではポータルサイトのYahoo! JAPAN、ADSLではIP電話のBBフォンをナンバーワンのサービスに成長させた。FTTHではBBTVをナンバーワンのサービスに成長させる」とコメント。「ADSLで電話を変えた。FTTHでテレビを変える」と意気込みを語った。

 なお、Yahoo! BB 光ならではのサービスとして、専用のオンラインストレージサービス「Yahoo! BB ネットワークHD」(仮称)の提供も予定しているという。例えば、BBTVで録画した放送を上りの伝送速度が速い光回線を使ってネットワーク上のストレージに保存することで、外出先などでも録画した内容を閲覧できるという。

 Yahoo! BB 光のサービス提供状況については、「現在、助走段階だ」とコメント。「ADSLを立ち上げた時の反省もあり、受け入れ態勢が整う前に過激な営業をしてしまうとユーザーに迷惑をかけてしまう」とし、来春をめどに工事のノウハウや機器の準備が整い次第、本格的にサービス展開する方針だ。営業部隊についても、「ADSLの新規獲得は徐々に抑制しており、人員をおとくラインに移行しているところ。FTTHの準備が整えば、おとくラインの営業部隊を移す予定だ」という。


Yahoo! BB 光のポータルサイトをデモンストレーション Yahoo! BB ネットワークHD(仮称)のイメージ

800MHz帯が割り当てられないということは、考えたくもない

 新規参入事業として注力するという携帯電話事業については、「NTTグループ、KDDIグループとも7〜8割の利益が携帯電話事業から。ソフトバンクグループにとってもホップ、ステップときて、携帯電話でジャンプしたい」と意欲を表明。その一方で「許認可の免許を付与されるまでにはまだ時間がかかる。設備投資はその後」と語り、5年程度の中長期的なスパンで取り組む姿勢も示した。

 なお、11月4日に総務省で携帯電話向けに割り当てられる予定の1.7GHz帯、2.0GHz帯、2.5GHz帯、および800MHz帯の再編に関する「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」が開かれた。NTTドコモやKDDI、ボーダフォンなど携帯電話事業者の社長らも出席したこの検討会で、ソフトバンクBBは800MHz帯の割り当てを希望。「発言のほとんどは私からだった」という孫氏によれば「次回会合では“聖域”とされた800MHz帯をメインに議論されることになった」という。

 800MHz帯の割り当てについては、「3G携帯電話の時代になれば、端末側で800MHz帯以外の周波数も受信できるマルチバンドが普通にできるようになる。マルチバンド化すれば現在“渋滞している”800MHz帯も空くので新規参入できるのではないか」とコメント。「日本が法治国家であり、フェアな国家である限り、800MHz帯が割り当てられないということは考えていない。考えたくもない」と語った。


ホークス買収に大きな障害はない

ダイエーホークスの買収問題に会場からの質問が集中
 このほか会場から質問が集中したのは、ダイエーホークスの買収問題。孫氏によれば、球団の親会社であるダイエーや、チケットやグッズの販売権など興行権を所有する投資会社コロニー・キャピタルとの交渉は順調だという。「先月の発表時点では、何の根回しも行なっていなかったため、一部で誤解を受けた」とコメント。しかし、「だまって水面下で交渉するのではなく、正々堂々と立候補するのがソフトバンクのやり方」と説明し、その上で「数週間で各方面に誠意と熱意をもって働きかけた」という。現時点では「(買収に向けて)大きな障害はないのではないか」とした。

 買収そのものに関しては順調だと報告したが、交渉の詳細については問題もあるという。ダイエーとコロニー・キャピタルで「球団と興行権が分割しているのは健全ではない」と指摘し、球団と興行権を合わせて買収する考えを示した。また、球団株の所有については「ダイエーが一部の株式を所有し続けたいということには強い抵抗感はない」とコメント。「ダイエーの新しいスポンサーがホークスの優勝セールをやりたいなどを目的とするのであれば問題はない。地元財界の方も株式の一部を持ちたいのであれば歓迎したい」と複数株主による球団所有に一定の理解を示す一方、「株式の半数以上をソフトバンクが所有し、経営責任を果たす。編成権や命名権はソフトバンクが行使する」と球団運営に改めて強い意欲を見せた。

 また、「現在交渉の過程にある」と前置きしつつも、具体的な人気強化策も披露。BBテレビなどのサービスで「放映権を完全に所有できるため、全国のファンに全試合を生放送で放映する」「球場のあらゆるところにカメラを付けて、アングルごとに映像を選べるようにする」「一般のファンもインタラクティブに参加できるようにする」といったサービスを提供する予定だという。

 孫氏は「Yahoo! BBユーザーであれば、DVD並みの高画質で生放送を楽しむことができる」とし、「通常のISPと異なりYahoo! BBのバックボーンはマルチキャストに対応している。何百万人が同時に見てもびくともしない」と強調した。また、「球団を運営する以上は勝たねばならない」「新しい黄金期を作りたい」と球団オーナーとなった場合の抱負も語った。

 なお、「現在ソフトバンクグループにはソフトバンク、Yahoo! JAPAN、日本テレコムの3ブランドが共存している。今後ソフトバンクグループとしてこれらブランドを統合する可能性もあり、現在専門家を交えて検討する」とし、球団名称についても新たに検討する予定だ。


関連情報

URL
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/

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( 鷹木 創 )
2004/11/10 22:08

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