ダイエーは、同社が98%を保有する福岡ダイエーホークス株式について、全株式をソフトバンクへ譲渡する検討を進めていることを明らかにした。現在関係先と調整中であり、11月15日にホークスを通じてプロ野球実行委員会に経過報告を行なったという。
この株式譲渡は、2003年12月3日にダイエーとコロニーの間で合意した球団資本構成の変更時の手順、ルール等の覚書に基づくもの。この覚書では、資本構成変更後も球団が福岡ドームを本拠地として継続することを前提とし、福岡ドームの価値を維持する目的で締結されている。
同覚書では、コロニーはホークスの株式譲渡先として一定基準を満たしたスポンサー候補の推薦が可能であり、この推薦を受けた場合、ダイエーは該当の株式譲渡について日本プロフェッショナル野球組織(NPB)の承認が受けられるよう努力する義務が規定されている。この義務を履行しない場合、ダイエーは損害賠償義務を負うことになり、履行したがNPBの承認が得られない場合は、株式譲渡は行なわれないがホークスタウンから受領できる入場券・物品販売権料が減額されるという負担が発生する。
この覚書に基づき、スポンサー候補先としてコロニーからソフトバンクの推薦があったという。ダイエーではソフトバンクを「一定基準を満たしたスポンサー」として判断、NPBの承認を受けるべく対応を進めていく方針であり、この経緯をプロ野球実行委員会に報告したとしている。
なお、球団の事業評価額は覚書に基づき50億円と定められている。この額についてダイエーは「入場券および物品販売権等がコロニーに移転している」「ダイエーが年間10億の赤字を計上している」「過半の株主の変更時には入場券および物品販売権等が減額になり、球団の赤字が拡大することが見込まれる」といった点から、50億円という事業評価額は妥当と判断している。
ダイエーではこの株式譲渡について「従来の当社方針である球団の継続保有とは反する結果」とした上で、「『ホークスセール』などの販促対応については継続の方向でソフトバンクと調整中であり、小売業とのシナジー効果は引き続き見込める」との考えを示している。
【20:30 追記】
ソフトバンクはダイエーの株式売却検討を受けて「当社をご推薦いただく表明がありましたことを、大変光栄に受け止めております。当社といたしましては、今後も今までと同様に本件に関する関係各所との交渉を一歩一歩進めて行きたいと考えております」とのコメントを発表した。
関連情報
■URL
ダイエー
http://www.daiei.co.jp/
ソフトバンク
http://www.softbank.co.jp/
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( 甲斐祐樹 )
2004/11/15 19:34
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