はてなは25日、同社が打ち出していたユーザーの住所登録義務化という方針を撤回すると発表した。すでに登録された住所情報はすべて破棄し、住所登録を行なったユーザーに対して説明と謝罪を行なう。また、今後はサービス追加に応じて住所登録選択制を検討するという。
はてなでは、同社のサービスで権利侵害が発生した場合の対処を目的として、はてなのサービスを利用するすべてのユーザーに対して、住所登録を行なわなければサービスが利用できなくなる措置を発表していた。これに対してユーザーからはさまざまな意見が寄せられたため、はてなでは住所登録の期間延長とともにユーザーから意見を募集するパブリックコメントを実施、義務化の撤回を含めた検討を進めていた。
はてなでは、住所登録を義務化すべきと判断した理由として「ユーザーの正確な氏名や住所を確認しない場合、違法情報が登録された場合などにはてなが法的責任を負う可能性がある」との根拠を説明。一方で、「プロバイダ責任法によれば、サービス提供者は違法な情報を具体的に認識できてから責任が発生するため、現状のはてなのサービスでは『主体性』が認定されるとは考えにくい」との意見も寄せられたという。
これらの意見を踏まえ、はてなでは「当初の根拠である責任追及の可能性は否定できない」とした上で、「解釈が確定的ではなく、今後の判例などによって流動性の高い問題であり、現時点では必ず住所登録が必要であるという根拠にはならない」との認識に至ったと説明。住所登録義務化を撤回するとともに、「はてな全体の雰囲気が変化するほどの大きな問題となったことは、はてなの認識や取り組み不足が原因」と謝罪している。
今後、ユーザーに関わる大幅な方針変更の際には、事前にユーザーからの意見募集を実施する方針。また、はてな内の違法情報や規約違反情報の取り扱いについては、手順やガイドライン、事例などを整備し、明確化を進めていく。
関連情報
■URL
はてなへの住所登録の義務化撤回について
http://www.hatena.ne.jp/info/address
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( 甲斐祐樹 )
2004/11/26 13:27
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