パスワード管理、自動フォーム記入、迷惑メール撃退などのサービスを手掛けている米ベンチャー企業のProtecteerが、同社のソフトを使った有料のフィッシング詐欺対策サービスを開始した。
Protecteerのソフト「SignupShield」はいわゆるパスワード管理ソフトで、個人の住所や氏名、クレジットカード番号などの重要な情報を自動的にフォームに記入したり、そうした情報が悪用されないようパスワード管理する機能を持っている。今回開始したフィッシング詐欺対策サービスは、このソフトに付加されたサービスだ。
例えばインターネットバンキングを装うフィッシング詐欺の場合、アドレスバーに表示されているURLのドメイン名は本物に見え、ページそのものもhttpsプロトコルで暗号化されているように見える。しかし、フィッシング詐欺のほとんどはこうした表示を偽装している。
Protecteerのサービスでは、SignupShieldを使ってユーザーが個人情報を入力しようとしているサーバーのIPアドレスと、そのサーバーが地理的にどこにあるのかを表示してくれる。米国の銀行にログインしようとしているはずなのに、情報の送信先サーバーがロシアにあると表示されたら明らかに怪しいと考えられるため、銀行に問い合わせるなどして確認することができるだろう。
SignupShieldは送信しようとしている個人情報の種類、送信先サーバーの情報、これまでに蓄積したブラックリストとホワイトリストの3種類の情報を組み合わせることによってフィッシング詐欺を防ぐ。Protecteerでは、この情報の組み合わせによって、特定のフィッシング詐欺がまだ報告されていない場合にも対応できると主張している。なお、同社はこの技術に関して特許を出願しているという。
SignupShieldと1年間のサービス提供料は29.95ドル。ソフト自体は英語圏向けのため、日本国内で利用することは適さないが、仕組みを整えることで技術的にフィッシング詐欺対策が行なえることを示している点で興味深いサービスだと言えよう。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.protecteer.com/asp/news.asp?newsid=4
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/12/06 12:17
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