ミュージシャンを含むアーティストたちがインターネットの功罪について抱いている見解は割れている──。米非営利団体のPew Internet & American Life Projectが5日に発表した調査結果により明らかになった。
音楽や絵画、ビデオ、文芸などさまざまな分野で活躍しているアーティストたちに対して行なった調査の結果、約8割がインターネットを使用しており、6割近くがインターネットの検索により創作活動に対するインスピレーションを得ているとの結果が得られた。これに対して、インターネットが創作活動を保護する手段を破壊すると考えたアーティストは6%以下だった。
ファイル交換サービスに対する見解は割れた。「ファイル交換サービスはアーティストの許可を得ず、アーティストに報酬を支払うこともなく作品をコピーあるいは使用できるようにするため、アーティストにとって悪である」との考えに同意したアーティストは全体の47%だった。逆に「ファイル交換サービスはアーティストの作品を広範囲の観客に対して宣伝し配布できるようにするものであるため、アーティストにとってそれほど悪いわけではない」との考えには43%が同意した。
さらに、半数以上のアーティストが「許可を得ずに音楽や映画をファイル交換ネットワークで共有することが非合法である」と考えている一方で、4割近くはそれを「合法化すべきだ」と回答した。また、3割近くがクリエイティブ産業に対してファイル交換が大きな脅威になると回答している。
今回の調査は、2003年11月から12月にかけて、米国に住む自称アーティスト809人に対して行なった電話調査や、同じく2,793を対象に行なったオンライン調査の結果などをとりまとめたもの。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.pewinternet.org/press_release.asp?r=94
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/12/07 16:09
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