欧州連合(EU)の通信委員会は9日、EUが掲げるプログラム「the Safer Internet Plus programme」に関して合意したと発表した。この中でEUは、インターネット上で児童などの安全を保護するためのツールを親や教師向けに提供する計画を挙げている。
EUの行政組織である欧州委員会は2004年3月、2005年から2008年までの4年間に渡るプログラムとして、4,500万ユーロを投じてインターネット上の違法コンテンツや有害コンテンツを駆逐することを計画している。迷惑メールや人種差別関連の内容についても対策を講じるとともに、インターネットのみならず、ビデオなどの他のメディアも含めて総合的な対策を行なうという。プログラムは、1)違法コンテンツの駆逐、2)望まないコンテンツや有害コンテンツの発見および対策、3)安全な環境の推進、4)啓蒙活動という大きく4つの柱からなっている。
EU内では、インターネットを安全に使用するための環境整備がなされるべきとの声が教育機関や家庭などから上がっており、連合レベルの問題となっていた。今回、EUとして対策を講じることを明確にしたかたちになる。EUで行なわれた調査において、親が違法サイトや有害コンテンツを発見したときに報告すべき場所がわからないとの回答が60%と多かったことも、今回のプログラム推進において原動力となった。
EUは現在25カ国に拡大したが、旧EU諸国と新加盟国との間あるいは南北加盟国の間で児童のインターネット普及率に格差がある。概して旧加盟国では軒並み60%を超えているのに対して、新加盟国ではエストニアやチェコを除いて低い。また、ギリシャ語地域では20%以下、スロバキアやポルトガルも30%程度に止まっている。今後、EU全体としてインターネット普及率を上げていこうとすると、おのずから児童における普及率も上昇することになる。有害サイト対策の先手を打っておく必要があったことも、EU全体としての対策に踏み切らせるかたちになった。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/04/1456&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
( Gana Hiyoshi )
2004/12/13 14:48
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