コンピュータセキュリティを研究している米プリンストン大学のEdward Felten教授が、わずか15行のソースコードで成り立っているP2Pファイル交換アプリケーション「TinyP2P」を公開した。
TinyP2Pのソースコードは、Felten教授が運営している個人サイト「Freedom to Tinker」で公開されている。スクリプト言語のPythonで記述されており、コメント部分を除いて15行しかなく、各行も80桁以下になっている。
Felten教授はこのようなアプリケーションを開発した経緯について「P2Pアプリケーションを規制する難しさを実証するために、TinyP2Pを書いた。P2Pアプリケーションは非常に簡単に開発でき、普通の技術を持つプログラマーは誰でも書くことができる。こうしたものの創造を禁止する試みは実を結ばないだろう」と説明している。TinyP2Pは、実際にファイル交換を行なうためのアプリケーションというよりは、コンセプトを実証するためのアプリケーションであると考えられる。
さらにFelten教授は、TinyP2Pを作った理由が著作権侵害を推奨するためではないとしており、むしろ著作権侵害に断固反対する姿勢を明確にしている。実際、このアプリケーションは本来ならより高速かつ安全にすることもできるが、そうするためにはより多くのコードを書かなければならないだろう。
Felten教授はこれまでさまざまなセキュリティホールを発見したほか、著作権保護ソフトの弱点を明らかにしたり、著作権法やP2Pアプリケーションがもたらすメリットとデメリット双方について関心を持ち、洞察を書き続けてきている。
関連情報
■URL
TinyP2Pのソースコードと説明(英文)
http://www.freedom-to-tinker.com/tinyp2p.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/12/16 11:59
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