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リンク・シェアジャパン株式会社の花崎茂晴代表取締役社長
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アフィリエイトネットワーク「リンクシェア」を手がける「リンクシェア・ジャパン株式会社」が、2005年1月1日に設立された。資本金は1,000万円で、三井物産と米LinkShareが同額出資した。代表取締役社長には、三井物産のリンクシェア・プロジェクトマネージャーを務めていた花崎茂晴氏が就任した。
リンクシェアは、米LinkShareが提供するアフィリエイトネットワーク「LinkShare」の日本における独占販売権を得た三井物産が、2001年3月に社内ベンチャープロジェクトとしてスタートしたもの。それが今回、三井物産から分社独立したかたちになる。米LinkShareの海外法人としては、リンクシェア・ジャパンが初めて。
13日には、花崎社長が事業方針を説明した。2004年におけるリンクシェアの取扱高は350億円、アフィリエイト報酬額は15億円で、そのうち個人へのアフィリエイト報酬額は2億5,000万円。ファーストリテイリング、アップルコンピュータ、TSUTAYA onlineなど200社(前年比62社増)のECサイトがリンクシェアのアフィリエイトネットワークを利用している。「提携ECサイトの大半が、他社との“あいのり”をしていないのが特徴」。アクティブなアフィリエイトサイトのみで43,000サイトあり、「10月から12月における新規アフィリエイト登録数のうち、15%がブログサイト」だという。
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アフィリエイト登録数推移。10~12月の新規登録数は、15%がブログサイトだという
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アフィリエイトサイトとECサイト間の提携数推移
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アフィリエイトサイトとECサイト間の提携数は43万件(前年比3.2倍)で、平均して1アフィリエイトサイトにつき10社と提携していることになる。同社によると、提携数の最大理論値は「参加企業数×アフィリエイトサイト数」だが、現状では理論最大提携数の約5%であるため、将来的な成長が見込めるとしている。また、アフィリエイトサイトにおけるクリック数は月間1,700万件(前年比1.7倍)となっている。
リンクシェア・ジャパンの運営方針としては、「ネット上で場所とサービスを提供するだけに止まらない」ことを強調。具体的には、大手ECサイトと優良アフィリエイターを集めて見本市を開催するなどのオフラインによる活動や、ECサイト同士の異業種提携などを促進していく。さらに、消費者の購買情報をECサイトに還元するリサーチサービスのほか、「2005年は携帯電話におけるEコマースの元年になる」とし、携帯電話向けサイトのアフィリエイト事業にも注力して収益を高めていくという。
2006年3月期決算に年間取扱高500億円、営業利益が3億円を目指しており、2008年3月期までに年間取扱高1,000億円と株式上場を視野に入れている。
最後に花崎社長は「日本のインターネット業界は、ヤフーと楽天の二極集中型となっているため、1つ1つのEコマースサイトに消費者が流れていかない状況。リンクシェアのサービスが普及することによって、その流れを解きほぐす一翼を担いたい。それが、日本のインターネットをより成熟させるはず」と意欲を示した。
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アフィリエイトの潜在的成長力。TVショッピングによるアフィリエイトも視野に入っている
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「現状の提携数は、理論最大値の5%にすぎない」(花崎社長)
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関連情報
■URL
リンクシェア・ジャパン
http://www.linkshare.ne.jp/
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・ 三井物産とコマースリンク、ネット通販商品検索エンジンのシステム連携(2004/01/06)
( 増田 覚 )
2005/01/13 19:26
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