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米Microsoftの会長でチーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏
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米Microsoftは、アンチウイルス市場に本格的に参入することを公式に認めた。
米Microsoftの会長でチーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏は15日、米カリフォルニアで行なわれた「RSA Conference 2005」の基調講演の中でアンチウイルス製品について「アンチウイルスの分野では、我々はアンチウイルス能力を含む製品を2005年末までにコンシューマ向けに広く提供する予定だ。従って、アンチウイルスは引き続き非常に重要な要素であり、メールの部分でもその他の防御方法にとってもそうだと言える」と言及していた。また2003年に同社が買収したルーマニアのセキュリティー企業GeCADの技術に基づいてMicrosoft独自のスキャンエンジンを開発していることも指摘していた。
今回米Microsoftの広報担当者は当誌の取材に対し、「現時点で認めることができるのは、Microsoftが今年の終わりまでに有料のコンシューマ向けアンチウイルス製品あるいはサービスを提供するということだ」とコメントした。
MicrosoftはすでにWindows Updateを通してウイルス除去ツールを無料で配布しているが、このツールでは除去できるウイルスが流行している一部のウイルスに限定している。ビル・ゲイツ氏の講演に見られるように、メールを介して感染を広げるウイルスのほか、防御方法の一環としてアンチウイルス製品を捉え、さらに独自のスキャンエンジンを開発しているということは、この「有料のコンシューマ向けアンチウイルス製品」は現在多くのベンダーが提供しているアンチウイルス製品と市場で真っ向からぶつかることを意味する。
なお、米Microsoftはスパイウェア対策ソフトのベータ版を既に公開し、昨日の講演の中でこの製品に基づいたスパイウェア対策サービスを個人向けに無料で提供する計画を明らかにしている。これについて国内法人のマイクロソフトはこの英語ベータ版ソフトの日本語環境での動作を確認中であるとしている。また、今回のアンチウイルス製品計画についても日本市場で提供されるかどうかは明らかにされていない。
■URL
RSA Conference 2005(英文)
http://2005.rsaconference.com/us/
RSA Conference 2005のビル・ゲイツ氏講演のハイライト(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/feb05/02-15RSA05KeynotePR.asp
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/17 11:28
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