米Googleは16日(米国時間)、「Google Toolbar 3」のベータ版を公開した。これは従来から公開されているGoogle Toolbarのバージョンアップ版で、Windows 95以上のInternet Explorerで利用できる。なおFirefox版やMac向けバージョンは現在提供されていない。
このバージョンでは3つの新機能が追加された。翻訳ツールの「Word Translator」、ページのリンクを認識する「AutoLink」、スペルチェッカーの「SpellCheck」だ。
この英語版ソフトで国内ユーザーにとって最も利用価値が高いと思われるのは「Word Translator」である。これは英語ページを表示している時にわからない単語を選択してカーソルを重ねると、その言葉の意味を日本語に翻訳してくれる機能を持つ。英語から日本語への翻訳のほか、中国語、韓国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語への翻訳に現在対応している。
新たに加わった「AutoLink」機能は便利であると同時に、米Googleにとって非常に戦略的な意味を持つ機能であるように思える。「AutoLink」機能は、表示しているページの中にある住所や書籍のISBN番号、物流の荷物追跡番号などをToolbarが判断し、AutoLinkがオンになると同時にその部分に自動的にリンクを張る機能だ。
たとえば、米Google本社の住所が表示されているページではToolbarのAutoLinkボタンが変化し、リンクをクリックすると自動的にGoogleの地図情報提供サービス「Google Maps」にGoogle本社の場所の地図が該当ページに表示される。
さらに興味深いのは、このAutoLink機能を書籍のISBN番号が表示されているページで用いると、自動的にAmazon.comの該当書籍のページにリンクが貼られることだ。米国で人気のあるネット書店の1つである「Barnes & Noble」のサイトで試してみたところ、「Barnes & Noble」サイト内に表示されているISBN番号であっても、書籍情報はAmazon.comの該当書籍に転送されてしまった。この機能はAmazon.comに多大なる利益をもたらすことが予想されるが、同時に他のネット書店には大きな脅威と成り得るだろう。この機能についてはGoogle Toolbarのヘルプページにも言及されているが、Google広報では同社とAmazon.comの提携関係について現時点で詳細を述べることを差し控えている。また、Amazon.com以外のオンライン書店との今後の提携に関する具体的な計画についても明らかにしていない。
もう1つのSpellCheck機能では、Webメールなどの画面上でSpellCheckができるようになった。SpellCheck機能は英語、スペイン語など欧米諸国で使われている多くの言語に対応しており、文章を入力した後でSpellCheckボタンをクリックすると画面が反転し、該当する間違いがある場所にリンクが表示される。そのリンクをクリックすると、より適切と考えられる単語が表示される。この機能は、Gmailなど同社が提供しているWebメールサービスにおいて大きな利便性を提供する。
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WebページのISBN番号を選択すると、Amazon.comの当該書籍のページに自動リンクされる
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スペルチェッカー機能。正しいと思われるスペルの候補が選択可能
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スペルチェック機能はGmailなどで利用できる
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■URL
Google Toolbar 3(英文)
http://toolbar.google.com/T3/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/17 11:56
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