ニュースを得るための情報源としてインターネットを利用する人が激増していることが米国で行なわれた調査で明らかになった。
これは、米大手新聞社WashingtonPostのインターネット部門であるwashingtonpost.comが、調査会社のNielsen//NetRatingsおよびScarboroughと協力して2004年12月に実施したメール調査の結果。それによると、ニュースと情報を得るためにインターネットを利用する機会が増えた人は47%で、逆に減少したという人は4%に止まった。これに対して伝統的なメディアについては、ラジオが16%増/12%減、テレビが18%増/20%減、新聞が12%増/18%減、雑誌が15%増/18%減と、いずれも横ばい傾向だった。
このようにインターネットの利用傾向が増加している理由について尋ねたところ、「24時間利用できること」「ながらブラウジングができること」「ニュース速報」「簡単さ」「無料」などが上位に挙がった。
インターネットを利用している人の中でもいくつかのセグメントに分類されるという。最も大きなグループは、日々のニュースと情報源としてインターネットが不可欠になっているグループで、全体の39%を占める。このグループは週平均24時間をインターネットに費やし、他のグループよりもインターネット利用時間が週8時間以上多い。また、2番目に大きいグループはいわゆる「堅いニュース」に興味がなく、インターネットを娯楽と考えているグループで、全体の34%を占めた。残り27%は2つのグループに分けられる。1つは印刷メディアがインターネットよりも優れていると考えているグループで、インターネットをニュースを補完するための情報源と考えている。もう1つのグループは、ニュースを複数の情報源から毎日入手するいわゆる「インフォメーションジャンキー」と呼ばれるグループである。
これまでの調査結果では、ニュースの情報源としてインターネットはテレビと接戦を繰り広げてきていたが、今回の調査ではインターネットの利用増加が目立つ形となった。インターネットがメディアとして飽和状態に近づきつつあるといえども、依然としてインターネットでニュースを読む人の数は著しく増え続けており、特にインターネットを主要な情報源としている39%の人々はラジオ、テレビ、新聞、雑誌など他のメディアから完全に離れつつある。
なお、今回の調査はニュースや情報サイトを過去90日間に訪れた人に対してメールで行なわれたという点には若干の注意が必要だろう。しかし、日本ほどブロードバンドが普及していない米国でも既存メディア離れが目立ち始めていること、そしてこの調査自身、米国で最も権威ある新聞の1つであるWashingtonPostのインターネット部門によってとり行なわれたことは非常に興味深いことだと言えよう。
関連情報
■URL
washingtonpost.com(英文)
http://www.washingtonpost.com/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/25 12:46
- ページの先頭へ-
|