米Briliant Digital Entertainmentの子会社Altnetは28日(現地時間)、P2Pネットワークを使った新しい合法的なビジネスモデルを発表した。これはファイル交換ソフトで得られる広告収入をレコード会社に分配しようというものだ。
今回発表したのは、ファイル交換ソフトに表示される広告から得られる売上をひとつのファンドに集め、インディーズレーベルに分配するもの。発表に合わせてファンドに名を連ねたのは大手インディーズレーベルV2、Artemis、Epitaph/Anti、Side One Dummy and Palm、Simmons/Latham、Koch Mediaだ。ファンドに参加するレーベルは、AltnetのP2Pネットワークに流通するコンテンツの量に比例して分配金を得る。これらのコンテンツの中には有料、無料、試用版などが含まれているが、それらの種類に関係なく、コンテンツの流通量に応じて分配金の額が決まる。
Altnetのプレスリリースによれば、ファンドの最初の目標は視聴者のセグメンテーションとメディアパフォーマンスによって成立しているラジオのビジネスモデルを、将来的にP2Pネットワークで模倣するための「触媒」となることを目的としているという。
AltnetはP2Pネットワークを通して流通するコンテンツから売上を上げるためにさまざまな手法を考案してきた。同社はファイル交換ソフト大手豪Sharman Networksと密接な関係を持ち、Altnetの技術はファイル交換ソフトKazaaに組み込まれている。また、Altnetは他のP2Pネットワークとも関係を持ち、自身でまったく独立したP2Pネットワークをその上に構築している。このほか、Webサイトとのアフィリエイト契約や、利用者のCPUを活用するなど、分散コンピューティングをビジネスに結びつけようとさまざまな試みを行なっている。
関連情報
■URL
米Altnet(英文)
http://www.altnet.com/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/03/01 11:21
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