NTTは8日、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)伝送実験において、1本の光ファイバに1,000波長を多重することに世界で初めて成功したと発表した。従来の8倍の超高密度(8分の1の波長間隔)で、10倍の波長数を伝送したという。
来のWDM技術では、必要なチャンネル数分の半導体レーザーを用意し、それぞれの波長間隔を精密に制御する方式を用いているが、チャンネル数が増えるに従って各レーザー波長の制御が難しくなる。波長間隔が50GHz以上あり、100~200波長の多重が限界だったという。
これに対して今回の超高密度WDM伝送では、「超高密度多波長発生技術」と「超高密度WDM用光分波技術」により1,000波長の多重を実現した。具体的には、波長が等間隔に並んだ1,000波長以上の光を一括して発生できるスーパーコンティニウム光源を採用。従来よりも8倍の高密度(波長間隔が6.25GHz)で、波長のゆらぎも小さいWDM信号を生成することに成功した。一方、このWDM信号の光分波には、NTTが開発した波長アレイ導波路格子フィルタを用いることで波長単位の分離が可能だという。
なお、今回の実験は、テスト用のネットワーク「JGN II」を利用して、京都にあるNICTのけいはんな情報通信オープンラボと大阪・堂島間の往復126kmで行なわれた。
NTTでは、精密に波長配置された1,000波長以上の光を伝送可能にする今回の技術について、「次世代のフォトニックネットワークにおいて多種多様なサービスを低コストで実現するための中核技術と位置づけられる」としている。
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従来のWDM光源と、今回採用したスーパーコンティニウム光源の違い
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/news05/0503/050308.html
( 永沢 茂 )
2005/03/08 17:08
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