米Amazon.comの子会社で独自のサーチエンジンを開発しているA9.comは15日、検索結果を利用しやすくするための標準規格「OpenSearch」を発表した。RSS 2.0の上位互換にあたるXMLベースのフォーマットであるため、拡張された部分を除けば既存のRSSリーダーでもすぐに利用できる。
OpenSearchが開発された背景には、現在、第三者がサーチエンジンの検索結果を加工できないという大きなデメリットが存在することが挙げられる。サイト内検索を含め、あらゆるところにサーチエンジンがあるにもかかわらず、検索結果は全てHTMLで表示されるためだ。検索結果がOpenSearchというXMLフォーマットで提供されれば、それらの検索結果をRSSリーダで読むことも、HTMLに加工してさまざまな方法で表示することも自由にできるようになる。
OpenSearchは3つの部分からなる。1つ目はサーチエンジンの検索結果をXMLフォーマットで提供するための「OpenSearchRSS」。2つ目は、そのサーチエンジンを特定するためのXMLファイルである「OpenSearch Description Documents」。3つ目がOpenSearchを表示するためのWebサイトやツールである「OpenSearch Aggregators」である。
A9.comは15日、OpenSearchに対応した機能を公開した。これは、OpenSearchを利用して検索結果を公開することにしたサーチエンジンの一覧を用意するとともに、A9.com自身をOpenSearch Aggregatorに仕立て上げたものだ。A9.comの「Add More Columns」ページにおいて、一覧からさまざまなサーチエンジンの検索結果をボタンとして追加できるようになっている。これによりWebやAmazon.comなどの検索結果を表示するだけでなく、例えばニューヨークタイムズの中だけの検索結果や有名なブログの中だけの検索結果など、異なるサーチエンジンの検索結果をA9.comで表示できる。
A9.comが今回OpenSearchの対応機能として示した方向性は、Googleのような巨大な1つのサーチエンジンで全てを済ませるのではなく、バーティカルな複数のサーチエンジンを統合して表示するという発想であり、これまでのサーチエンジンの概念の1つの拡張と言えるのかもしれない。
A9.comはOpenSearchフォーマットを文書で公開している。この文書の中にはPerlで使用するためのサンプルプログラムなども含まれており、独自のサーチエンジンを持つか、あるいはソースコードにアクセスできる人に対してOpenSearchを採用するよう呼びかけている。検索結果をOpenSearchのやり方で提供するのは、さほど難しい作業ではないという。
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「Add More Columns」ページにはOpenSearch対応サーチエンジンの一覧があり、この中から選択・追加できる
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「Web」や「Images」の検索結果と一緒に、追加した「A9 Top blogs」サーチエンジンの検索結果を並べて表示したところ
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関連情報
■URL
OpenSearch(英文)
http://OpenSearch.a9.com/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/03/16 15:49
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