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BIGLOBEのブロードバンド映像事業戦略「今後はモバイルにも展開」


 BIGLOBEを運営するNECは24日、BIGLOBEのブロードバンド映像ポータル事業に関する戦略説明会を開催した。映像ポータル「BIGLOBEストリーム」を中心にコンシューマ、企業それぞれの面で映像サービスを展開していくほか、今後はモバイル展開も予定しているという。


“見るインターネット”が拡大傾向に

BIGLOBE事業本部 執行役員の谷岸一善氏
 BIGLOBE事業本部 執行役員の谷岸一善氏は、はじめに2004年度のBIGLOBE事業概況について説明。BIGLOBE全体の事業比率では52%がISP事業、残りの48%が付加価値サービスなどのASP事業だという。谷岸氏は「NTTの料金を一括して請求するサービスが好調のためISP事業が予想以上に伸びたが、2005年度はASP事業が50%を超えるだろう」とコメント、ASP事業分野にも注力するとした。

 そうした事業領域拡大の中で、BIGLOBEの1つの柱として位置付けるのがブロードバンド映像ポータル事業。谷岸氏は「ブロードバンド化の進展により、インターネットで映像を視聴するという“見るインターネット”が拡大している」と指摘。集客力を持つブロードバンド映像ポータルを中心として、広告やプロモーションといったマーケティングのほか、コンテンツやEC分野を充実させる方針という。

 ビジネス向けのブロードバンド映像ポータル事業も予定しており、月間180万ユーザーを集めるというBIGLOBEストリーム上で、映像を利用した企業のマーケティング活動を支援するサービスを4月1日より開始する。また、コンシューマ向けにも有料コンテンツ販売や動画ショッピングサイトといったECサービスの拡大を図るほか、PC以外に携帯電話向けの動画配信も進めていく予定だという。谷岸氏は「2007年度はポータルサイトの週間視聴者数1,000万人、売上200億を目指す」との意気込みを示した。


ブロードバンド化により、インターネットを映像で視聴する“見るインターネット”が拡大 ポータルを中心としてマーケティングやコンテンツ&EC事業を展開

モバイル事業など他事業でのシナジー効果を図る

携帯電話向けの「ケータイBIGLOBEストリーム」も近日中に発表

BIGLOBEビジネス事業部 統括マネージャーの下島健彦氏
 続いてBIGLOBEビジネス事業部 統括マネージャーの下島健彦氏が、ブロードバンド映像ポータル事業の詳細について説明。「ブロードバンドの普及によりWeb上のコンテンツ情報容量も拡大、画像や動画データが増加している」との考えを示した上で、有料映像コンテンツの利用経験が30%を超えている、物品購入もネット利用が進展しているといったデータを紹介した。

 「企業でもブロードバンド向け映像への取り組みが進んでいる」と下島氏は指摘。例として田中麗奈を迎えた森永乳業のネットドラマ「秘密」や、NECの企業メッセージや製品を取り込んだショートフィルム「it」などを挙げ、「ブロードバンド映像を利用した新しい広告手法が本格化している」と語った。

 コンシューマ、企業ともにブロードバンド映像が普及していく中、BIGLOBEでは映像ポータルを中心としてコンシューマ、企業ともに映像ポータル事業を進めていく方針。コンシューマ向けにはBIGLOBEストリームを核としてコンテンツを充実し、「毎日訪れるサイト」を目指すほか、映画・ドラマの先行公開やコンテンツ関連物品の販売などECサービスも強化。また、企業向けにはショートフィルムやスポンサードドラマといった広告メニューを体系化して販売を強化していく方針という。

 下島氏はBIGLOBEストリームについて、ネットレイティングスの調査を挙げてその強みを説明。月間のユニークユーザーは約180万人と主要ブロードバンド映像ポータルの中で2位に付けており、平均利用頻度や延べ利用時間はどちらも1位だという。下島氏は「総合力で考えれば、BIGLOBEストリームは主要ブロードバンド映像ポータルの中で総合力No.1ではないか」と自信を見せた。

 オリジナルコンテンツも注力しており、電車男の朗読劇や川嶋あいのオフィシャルサイト、ネットドラマ「19borders」などをBIGLOBE独占で配信するほか、映画「四日間の奇蹟」製作委員会に参加。広告展開ではOCNを運営するNTTコミュニケーションズとブロードバンド映像広告を共同開発するといった展開も行なっている。

 モバイル向けの動画配信についても、近日中に携帯電話向けの動画配信サービス「ケータイBIGLOBEストリーム」の発表を行なう予定。携帯電話以外へのモバイル展開についても「具体的な話はないが、携帯電話以外にも順次対応していきたい」と積極的な姿勢を見せた。


ブロードバンドの普及に伴いWeb上の動画コンテンツも増加 ユーザーの3割が有料映像コンテンツの経験があるというネットレイティングスの調査

企業もブロードバンド映像を利用した新たな広告手法へ取り組む 2つのサービスを映像ポータルに集約して展開

他社映像ポータルと比較したBIGLOBEストリームの強み 今後は「ケータイ動画ストリーム」など動画のリーチ媒体を強化

テレビ放送とは「買収せずともシナジー効果は得られる」

 なお、ライブドアがニッポン放送株式を取得、フジテレビとの業務提携などテレビへの進出を図っている件について質問が飛ぶと、谷岸氏はNECがシステム構築を担当したテレビ番組「テスト・ザ・ネイション」を例に挙げてコメント。テスト・ザ・ネイションは、番組中に出題されたIQテストを携帯電話やPCなどを通じて解答することでIQを測定できるというコンセプトの番組で、NECが携帯やPC、デジタル放送対応の双方向サービス基盤システムを開発している。

 谷岸氏は「テスト・ザ・ネイションの放映時には短時間で60万ものアクセスがあった」とコメントした上で「4月にも別の放送局と双方向の取り組みを予定している。メディアを買わなくとも良いシナジー効果は得られるし、BIGLOBEはそういった方向を追求していく」とBIGLOBEの姿勢を示した。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0503/2401.html
  関連記事:NEC、小雪が出演する企業メッセージを取り込んだショートフィルム「it」[BroadBand Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/4350.html
  関連記事:森永乳業、田中麗奈が1人4役を演じるネットムービー「秘密」3部作[BroadBand Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/5467.html
  関連記事:BIGLOBE、「朗読劇 電車男」の配信や新作TVアニメ「バジリスク」試写会[BroadBand Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/8942.html


( 甲斐祐樹 )
2005/03/24 17:33

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