ダイビル、NTT都市開発、鹿島建設の3社が建設を進めているJR秋葉原駅前の「秋葉原クロスフィールド」に、産学連携の中核施設「秋葉原ダイビル」が31日にオープンした。
秋葉原クロスフィールドは、さまざまな領域(フィールド)の人・情報・産業が交流(クロス)することをコンセプトとした地域開発プロジェクト。今回オープンした秋葉原ダイビルと2006年3月竣工予定の「秋葉原UDX」の2棟に、産学連携機能、情報ネットワーク機能、オフィス機能、IT機器の展示会などによる集客等機能を集積して、新たなビジネスを創造することがねらいだ。
秋葉原ダイビルは地上31階、地下2階、高さ147.5メートルの施設で、フロアは1・2階がカフェ、2階がコンベンションホールと展示スペース、5~15階が産学連携する大学・機関・企業のスペース、16~30階がオフィスで構成される。なお、5階は産学の情報交流や研究結果を発表するカンファレンスフロアとなっており、IEEE 802.11gに対応する無線LAN接続環境も整備されている。
産学連携のスペースに入居が決定している大学としては、東京大学、筑波大学、東京電機大学、デジタルハリウッド大学など。大学以外では、産業技術総合研究所、日本弁理士会、つくば市、鹿島建設の機関・企業などが入居する。
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カンファレンスフロア。IEEE 802.11g対応の無線LAN接続環境が整備されている
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建設中のヨドバシ「AKIBA」ビル(仮称)
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秋葉原ダイビル竣工を記念してテープカット
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31日に開催された「秋葉原クロスフィールド」オープニングセレモニーでは、東京都知事の石原慎太郎氏らが出席した。石原氏は「秋葉原には、ないものはない。品揃えが完璧な街」と秋葉原のイメージを述べた後、秋葉原クロスフィールドに抱く期待を次のように述べた。
「米国で特許の申請を一番数多くしている国は日本。米国の特許を米国以上に仕入れて新製品に活用してる国も日本だけ。私たちは、こういった技術のポテンシャルを大切にしないといけない。私は中国という国が大嫌いですが、彼らに一番足りないのはこういう技術的なポテンシャリティ。これは経済産業のいわば上流の部分であり、私たちは上流を確固として持ち続けるべき。そのひとつの基軸となるのがIT産業であり、そのメッカである秋葉原だと思う。その点で、この街に日本の興隆がかかっているといえる。」
このほか、ダイビル代表取締役社長の広瀬忠邦氏が「電気の街、秋葉原の新たな側面として、IT産業の街として育つように、秋葉原クロスフィールドを通じて貢献したい」とセレモニー主催者を代表して挨拶。また、情報通信技術担当大臣の棚橋泰文氏は「日本は産学連携による成果を生み出すという点が弱い国。その部分を強化しないといけないという思いで、科学技術政策にも取り組んでいる。秋葉原クロスフィールドから、産学連携をはじめとした科学技術政策が発展していけばいくことを期待している」とコメントした。
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「この街に日本の興隆がかかっている」と石原都知事
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「産学連携は日本の弱点。秋葉原クロスフィールドから産学連携の発展を期待する」と棚橋IT大臣
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関連情報
■URL
秋葉原クロスフィールド
http://www.akiba-cross.jp/
( 増田 覚 )
2005/03/31 19:25
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