オンラインゲームフォーラムは、日本国内で提供されているオンラインゲームタイトルおよび運営サービス事業者を対象に2004年における市場データや動向を調査した「オンラインゲーム市場統計報告書2005」を公表した。
● 収益性を持ったオンラインゲームは200を超える
オンラインゲームフォーラムは、経済産業省関東経済産業局などが事務局を務める任意団体「首都圏情報ベンチャーフォーラム」でのオンラインゲームビジネス関係者の交流を目的とした「オンラインゲーム研究会」の分科会として、2004年に設立された団体。なお、同調査結果は財団法人デジタルコンテンツ協会が発行する「デジタルコンテンツ白書2005年」に掲載される予定だという。
今回公表された調査結果は、同フォーラムに参加するオンラインゲームサービス運営事業者からのヒアリングをはじめ、未参加企業については公表されている資料にもとづいて数値を算出したという。加えて、パッケージ流通分に関しては、大手ダウンロードサイトや流通企業などからヒアリングを行なったとしている。なお、調査結果については、ユーザーが重複して計算されている場合もあるという。
オンラインゲームフォーラムでは、オンラインゲームをMMO(多人数同時プレイ)やMO(少人数同時プレイ)などのタイトルを通信インフラを介して、PCやプレイステーション2などのゲーム機上で複数ユーザーが同時にプレイするゲームおよび、ゲームに関連するコミュニティとして定義。2004年1月1日から12月31日にかけて調査を行なった。
同調査によれば、個人運営を含むオンラインゲームサービス事業者は68社で、各社が収益性を持ったサービスとして提供しているオンラインゲームは2004年12月31日現在で187タイトルあったという。なお、2005年3月現在ではタイトル数が221タイトルと13%増加したとしている。
● オンラインゲームは無料が50%。アイテム課金も増加傾向に
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(上から)オンラインゲーム登録会員数と課金会員数
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(上から)オンラインゲームの市場規模と、1ユーザーあたりの月額利用金額
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オンラインゲームの登録会員数は1,942万1,076人。このうち、定額課金やアバター課金などに登録するユーザー数は1,806万2,262人で、ベータサービスなどに登録するユーザー数は135万8,814人。さらに、無料会員から実際に課金会員へと移行したユーザー数は全体の265万7,412人で、同フォーラムでは「インターネット人口7,730万人のうち、約3%がオンラインゲームで課金サービスを利用している」と述べている。
課金会員の年齢内訳では、23~29歳が26%と最も多く、次いで19~22歳が25%、30歳代が24%と続く。また、40歳代が7%、50歳代が1%となるが、同フォーラムでは大半が麻雀や囲碁、将棋ゲームの会員だとしている。
2004年12月31日現在で提供されているオンラインゲーム187タイトルの国内ライセンスを持つ企業を国別に分けた分類調査も行なわれた。それによれば、日本が43%、北米が32%、韓国が23%で、台湾・中国が2%。なお、北米タイトルの大半はXbox向けで、韓国タイトルはすべてPCゲームだったという。
オンラインゲームのサービス形態としては、無料が98タイトルと全体の50%を占めた。以降は、定額課金型が77タイトルの39%、アイテム・アバター課金型が12タイトルの6%と続いている。ただし、2004年後半からはアイテム・アバター課金のサービス形態が増加傾向にあるとした。
加えて、日本国内におけるオンラインゲーム市場規模の調査も行なわれた。パッケージソフト販売や、ネット上のダウンロードソフト販売サービスなどを通じた売り上げは211億9,300万円、ゲーム運営サービスの売り上げは367億140万円で、合計は578億9,440万円だとしている。このほか、オンラインゲームサービス事業者の平均的な課金会員1ユーザーあたりの1カ月の売り上げは定額課金が1,437円で、アイテム・アバター課金が4,278円だったという。
関連情報
■URL
オンラインゲームフォーラム
http://www.onlinegameforum.org/
オンラインゲーム市場統計調査報告書2005 概要版(PDF)
http://www.onlinegameforum.org/release20050405.pdf
( 村松健至 )
2005/04/06 11:44
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