Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

楽天ダウンロード、「サラリーマン金太郎」新連載を独占配信


 楽天は、漫画家の本宮ひろ志氏原作の人気漫画「サラリーマン金太郎」の新作を、13日からデジタルコンテンツをダウンロード販売する「楽天ダウンロード」にて提供することを発表した。紙媒体による流通は行なわず、楽天ダウンロードのみで独占配信する。

 今回ダウンロード配信される「サラリーマン金太郎」は、既存のコミックを再収録したものではなく、本宮ひろ志氏が楽天ダウンロードのために書き下ろした続編。前作最終回では、主人公の金太郎が外資系銀行に面接に向かうシーンで終わっていたが、今回はその場面から始まる。外資系銀行に入社した金太郎が、ヘッジファンドを相手に対立するストーリーとなっているという。隔週連載で、全11話となっている。


1ページにつき1コマ、効果音も盛り込まれるデジタルコミック

従来のデジタルコミック
 コミックを視聴するには無料の楽天会員登録が必要で、楽天ダウンロードから無償ダウンロード可能な「楽天ビューア」を用いて視聴する。期間限定で4話までを無料配信し、5話以降は有料化を検討しているという。なお、無料配信期間および有料化の際の金額は未定。視聴期間はダウンロード後60日間。ただし、有料でダウンロードしたコンテンツには視聴期間の制限は設けないとしている。

 楽天ビューアは、電子書籍コンテンツなどの著作権保護システムを開発するサイファー・テックが開発、コンテンツを視聴できるPC端末や視聴期間の制限および不正コピーの防止を行なう。対応ファイルは、ShockwaveおよびFlash。

 コンテンツは、漫画の1コマが全画面表示され、コマ送りしながら視聴する。BGMのほか、ドアを開ける音や風の音など効果音も盛り込まれている。コマ送り、コマを送る速度、音声調整などの設定をコントロールパネル上で行なえるほか、好きな箇所にしおりを入れることも可能だ。配信形式はShockwave(.swf)。


楽天ビューアーの全画面が漫画の1コマとなる ドアを開ける音や風邪の音など効果音も合わせて配信する

「ネット先行や独占配信で市場拡大を」

「サラリーマン金太郎」の愛読者だという楽天の三木谷氏(左)と「今回の反響次第ではさらなる続編も考える」という漫画家の本宮氏
 楽天は7日に記者発表会を開催し、同社代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏と原作者の本宮ひろ志氏が、新サービス開始についての意気込みを報道陣に語った。

 「サラリーマン金太郎」の新連載が楽天ダウンロードで配信されることについて、三木谷氏は「ミリオンセラーの漫画がネットだけで読まれるというのは画期的な試み。これまで漫画コンテンツは、紙のオリジナル作品をデジタル化したものが配信されていたが、ネット先行もしくは独占でオリジナル作品が配信されるようになれば、マーケットが広がるのでは」とネット配信への期待を覗かせた。

 一方、本宮氏は「出版業界は仕組みが構造的に完成しているので、今回のような試みは受け入れられないと思った。だから、出版社を介さずに個人で書き下ろすことを決めた。漫画コンテンツのネット配信については、週刊誌1冊くらいの分量をネットだけで発行するのはありだと思う。ただ、それをやりとげるエネルギーは自分にはない。誰か事業家の方がやれば成功しますよ」とコメントした。


関連情報

URL
  楽天ダウンロード
  http://dl.rakuten.co.jp/shop/rt/


( 増田 覚 )
2005/04/07 19:09

- ページの先頭へ-

INTERNET Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.