米Googleは13日、一般利用者が保有している映像コンテンツをGoogleにアップロードしてインデックス化する作業を開始したと発表した。MPEGなどにエンコードされたデジタルデータに限られるが、著作権を完全に保有していれば無料でアップロードできる。「Google Video」から検索できるようにするほか、将来は映像コンテンツの販売も行なえるようにするという。
「Google Video ビデオアップロードプログラム」に参加するには、英文で記述された利用規約に同意した後でGoogleアカウントを取得し、Googleが提供するアップロードソフト(Windows 98以降で動作)を利用して映像コンテンツをアップロードする。アップロードした後でも、Google Videoのアップロードページから自由に削除できる。
対応する映像フォーマットは多岐にわたるが、Google Videoが最初に検索対象にする予定なのはMPEG-4フォーマットとMP3オーディオの組み合わせ、あるいはMPEG-2フォーマットとMP3オーディオの組み合わせだという。GoogleはこのほかにもQuickTime、Windows Media、RealVideoをサポートしているが、これらはGoogle Videoの検索対象にする時期が著しく遅くなる可能性があるとしている。なお、現時点ではビデオテープやDVDなど物理的なメディアの郵送による受付は行なっていない。
ユーザーは単に映像をアップロードするだけでなく、Google Videoに検索されやすいようにする工夫も必要になるとしている。そのためにコンテンツの内容についてできるだけ詳しく説明を書く必要があるほか、コンテンツの中に「字幕」を入れることも推奨している。音声認識で間違う可能性が低くなると考えられるという。
コンテンツの内容についてGoogleはいくつかの制限を設けている。まず、コンテンツの内容に関して映像と音声などすべての事柄に対して、アップロードする人物が著作権を保有していること。そして、その映像コンテンツにポルノや有害な内容が含まれていないことが条件だ。
著作権に関するGoogleのポリシーは、米国で施行されているデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいており、公開された後に著作権法違反を指摘された場合にはGoogle Videoのアカウントを削除されることもあり得るとしている。なお、Googleでは掲載する前に規約違反がないか確認するとしており、もしGoogleの規約にふさわしくないと判断した場合には事前に指定されたメールアドレスに通知することになっている。
アップロードされたコンテンツは、将来的にGoogle Videoの映像検索サービスで検索対象になるが、現時点ではサービス開始に向けて映像コンテンツを収集しているにすぎない。しかし、映像検索サービス開始後にはGoogle Videoを通して検索・プレビューできるだけでなく、有料コンテンツを購入することも可能になる。価格は著作権保有者が自由に設定可能で、Googleはサービスコストを負担するために利益の一部を受け取ることになる。また、コンテンツの不正使用を防ぐためにファイルのコピーや共有を防ぐための方策を採っているとしている。
これまでGoogleはテキスト主体の検索技術を磨いてきたが、「あらゆる情報」を検索できるようにすることがGoogleの目標だ。音声を含め、映像へ大きな一歩を踏み出したことで、テキスト広告のAdWordsやAdSenseといったビジネスモデルを確立した上に、有料の映像コンテンツのビジネスモデルも垣間見えてきたと言えよう。
関連情報
■URL
Google Video ビデオアップロードプログラム(英文)
https://upload.video.google.com/
米Google公式ブログの該当記事(英文)
http://www.google.com/googleblog/2005/04/google-wants-your-video.html
■関連記事
・ 米テレビ局の番組情報を検索できる「Google Video Search」のベータ版(2005/01/25)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/04/14 13:01
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