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Microsoft、検索結果を動的に分類表示できるIE用ツールバーを公開


SRCを応用したサーチエンジンのトップページ

「Bill Gates」の検索結果表示
 米Microsoftの研究部門の1つであるMicrosoft Research Asia(MSRA)が13日、サーチエンジンの検索結果の表示方法を改善する新しいクラスタリング技術を発表した。あわせて、この技術を応用したサーチエンジンのベータ版とInternet Explorer用のツールバーを公開した。

 この技術は、サーチエンジンの検索結果を、そこから推測される内容に応じて分類表示するものだ。これまでも検索結果を分類表示する、いわゆる“クラスタリング技術”を応用したサーチエンジンはいくつもあったが、インデックスの内容に基づいて正確な分類を目指す方向性のものがほとんどだった。

 これに対してMSRA SRC(Search Result Clustering)技術は、サーチエンジンの検索結果の一覧をその場で動的に分類表示するものだ。検索結果にはページのタイトルや簡単なテキストが添えられているに過ぎないため、そこから推測して正確な分類結果を返すことは難しい。今回、MSRAの研究グループは、短いフレーズの中から傑出したトピックを認識することによって分類することに成功したという。

 同時に公開されたIE用ツールバー「MSRA SRC Toolbar」は、Windows XP/2000に対応しており、デフォルトのサーチエンジンであるMSNだけでなく、MSNBCNewsも検索対象となっている。検索時にどちらかのサーチエンジンを選び、「Clustering」ボタンを押すことによって、それぞれのサーチエンジンの検索結果が左欄に分類表示される。

 このクラスタリング技術をうまく利用すると、これまでのサーチエンジンよりも情報が探しやすくなる。例えば「Bill Gates」と入力すると、Bill Gates氏のWebサイトなど直接的な情報だけでなく、同氏の保有する財団や妻のMelindaさんに関連するページ、ジョークサイトなど関連するさまざまな情報を分類して得られる。あるいは「digital camera」といった一般名詞を入力すると、カメラのバッテリーからメーカー別のカメラのページ、デジタルカメラの価格比較などのサイトが分類表示されるため、情報の入手が早くかつ広範囲にわたることがわかる。

 興味深いのは、完全とは言えないまでも日本語にも対応していることだ。使用しているサーチエンジンが日本語に一部対応してるMSNであるためと考えられるが、左欄の分類表示が英文であるにもかかわらず、日本語の検索結果と正確に対応してるのはこの技術の将来性の片鱗をうかがわせるものだ。

 なお、このクラスタリング技術やツールバーがある程度公開できるレベルに達しており、興味深いものであるにもかかわらず、Microsoftのベータテストの場である「Sandbox」などのページに含まれていない理由は明確ではない。一部のブロガーたちは今回の公開の仕方をもったいないと感じているようだが、このことはMicrosoftが“ベータ”テストを安易に広く公開したくないという考え方を表わしているとも言えるかもしれない。


関連情報

URL
  SRC BETA(英文)
  http://wsm.directtaps.net/default.aspx
  MSN Search公式ブログの該当記事(英文)
  http://blogs.msdn.com/msnsearch/archive/2005/04/13/407939.aspx


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/04/14 14:23

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