米Googleは5日、ブラウザにWebページが読み込まれる体感速度を向上させるソフトとサービス「Google Web Accelerator」の公開ベータテストを開始した。同社の実験的技術を公開する「GoogleLabs」からダウンロードできる。Windows XP/2000で動作するInternet Explorer 5.5以上とFirefox 1.0以上に対応しているが、Windows上で動くそれ以外のブラウザでもプロキシ設定を変更することで利用可能だ。
Google Web Acceleratorは、Googleが設置している世界的なコンピュータネットワークの専用コンピュータを利用してWebを高速化する。頻繁に見ているページをGoogleの専用コンピュータがあらかじめ先読みしておき、ユーザーがページ要求を行なった際にはデータを圧縮してユーザーの手元まで送り届ける。インストールされるツールバーには、このサービスを使用することでどれだけの時間を節約できたかも表示できる。ただし、セキュリティ上の問題から、HTTPSで暗号化されているページの高速化は行なわない。また、ストリーミング放送や大規模なデータファイルのダウンロードなどWebページ以外の高速化も行なわない。
Google Web Acceleratorを介在することによってプライバシー情報が収集される懸念があるが、Googleでは一般的にISPが収集する種類の情報以上のものは受信しないと説明している。例えば、リクエストされるページのアドレスとユーザーのIPアドレス、接続情報、Webページにログインするために要求されるCookie、URLに埋めこまれる形で送信されるメールアドレスなどの情報である。Googleがこうして得た情報はすべてGoogle Web Acceleratorのプライバシーポリシーに基づいて扱われ、ユーザーの許可なしに第三者に貸し出したり売却したりすることはないとしている。
なお、Google Web Acceleratorはすべてブロードバンドに最適化されており、ナローバンドユーザーは恩恵を受けられないという。また、ベータテストの第1フェーズでは北米と欧州でしか高速化の効果が得られないとしており、第2フェーズ以降のサービスが始まるまでは日本国内で恩恵を受けることはできない模様だ。
Googleが独自のコンピュータネットワークを活用してWeb表示の高速化に乗り出したことは興味深い。GoogleのサービスはすべてWebで提供されることが前提であるため、最も大きなボトルネックはインターネットのスピードにある。Googleがそれを自ら向上させ、ユーザー体験を向上させようとするのは自然な動きだと言えよう。
関連情報
■URL
Google Web Accelerator(英文)
http://webaccelerator.google.com/
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/05/09 13:53
- ページの先頭へ-
|