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「パワードコムの再建は完了した」~パワードコム2004年度決算発表


 パワードコムは11日、2004年度の決算を発表した。2004年度通期の経常損益は約7億と赤字決算になったが、上期は経常損益が約62億円となったものが、下期では経常利益が約55億円とプラスに転じている。


コスト構造の改善により2004年度下期で黒字転換を実現

パワードコムの中根滋代表取締役社長兼CEO
 パワードコム単体での2004年度通期決算は、売上高が1,175億6,000万円、経常損益が7億1,000万円。DTIやフュージョン・コミュニケーションズなど関連子会社を含めた連結決算では、売上高は1,805億円、経常損益は38億9,000万円となった。2004年度には、パワードコム、DTI、フュージョン・コミュニケーションズといった各社の事業をそれぞれ再編したため、前年度と単純に比較することはできないが、パワードコムの法人向け固定通信事業だけで見れば、売上高も順調に伸びているという。

 また、通期では赤字決算となったものの、2004年度下期ではパワードコム単体の経常利益は55億4,000万円、連結での経常利益も41億7,000万円となるなど、2004年から進めてきた企業再生計画が成功した形となった。パワードコムの中根滋代表取締役社長兼CEOは、経営改善のポイントとしてコスト構造の改善を挙げ、設備インフラコストの改善として9月に約756億円の減損処理などを行なった結果、営業利益を確保することができたと説明した。

 中根氏は「この間にコストの削減だけを進めたわけではなく、テレビコマーシャルを実施するなど営業コストはかけており、売上高も伸びている」として、改善策が順調に進んでいることを強調。「法人向け固定通信事業は基本的に装置産業モデルで、コスト構造の改善効果は長期的に持続する」として、「パワードコム本体については再建は完了した」と宣言した。


法人向け固定通信で確実に利益を上げ、DTIはTEPCOひかり中心の拡販を

 今後の事業目標については、2005年度にはパワードコム単体では売上高1,300億円、経常利益130億円を目指すとした。パワードコムでは法人向けの固定通信事業を手掛けるが、中根氏は「法人の固定通信の需要は音声からデータやインターネットにシフトしているが、決して利益の出ない分野ではない」として、パワードコムのネットワークサービスは他社よりも高い可用性実績があり、VoIPなどの他のサービスと併せてさらに販売を拡大していくというビジョンを示した。また、光ファイバインフラサービス事業を立ち上げ、他の通信事業者に対してダークファイバの提供や独自回線の敷設を請け負うなどの事業を展開していくことも発表された。

 関連子会社では、個人向けISP事業のDTIについては、TEPCOひかりを重点的に拡販するとした。また、今後は高速なブロードバンド環境でどのようなサービスを展開するかが重要になるとして、0AB~J番号によるIP電話サービス、DVDのダウンロード販売、IP放送などのサービスを積極的に推進する。また、フュージョン・コミュニケーションズについては、VoIPの新サービスの開発、東京電話などで利用していた旧来の設備のIP電話への統合などにより、事業の中心を完全にIP電話にシフトしていくとした。これにより、2005年度の連結ベースの決算では、売上高2,174億円、経常利益93億円を目指すとしている。


パワードコム単体の事業目標 DTIやフュージョン・コミュニケーションズを含めた連結ベースの事業目標

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URL
  ニュースリリース
  http://www.poweredcom.net/news/05_news/050511.html

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パワードコム再生に関する社長会見「2004年度内に映像配信サービスを」(2004/07/28)


( 三柳英樹 )
2005/05/11 21:30

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