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総務省、2005年3月末のブログ利用者は約335万人、SNSは約111万人と分析


 総務省は17日、ブログサービスとソーシャルネットワークサービス(SNS)の現状分析および将来予測を算出・推計した結果を公表した。それによれば、2005年3月末時点の国内ブログ利用者数は延べ約335万人で、国内SNS参加者数は延べ約111万人。

 今回公表された「ブログ・SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)の現状分析及び将来予測」は、総務省が3月11日より開催している「情報フロンティア研究会」(座長:國領二郎慶應義塾大学環境情報学部教授)における検討事項の1つとして算出・推計され、5月17日に開催された研究会で公表されたもの。


2005年3月のブログ利用者は約335万人。掛け持ち考慮の純数は約165万人に

ブログ利用者数とアクティブ利用者数

ブログ市場規模
 2005年3月末時点の国内ブログサービス利用者数は、同調査によれば延べ人数で約335万人。ただし、同研究会では複数のブログを掛け持つ利用者を考慮すると、純ブログ利用者数は約165万人であるとしている。また、少なくとも月に1度ブログを更新しているアクティブな利用者数は約95万人で、月に1 回以上ブログを閲覧している利用者は約1,651万人だという。

 今後の予測値としては、2007年3月末のブログ利用者は延べ人数で約782万人、アクティブブログ利用者数は約296万人、ブログ閲覧者数は約3,455万人に達すると予測している。

 また、事業所ヒアリングなどによるブログ利用者の特徴と活動状況も公表された。それによれば、「ブログ」という言葉が一般化した以降、ホームページ運営に手が出せなかったユーザーなど一般層が急増したと指摘。ユーザー層に関しては、従来のインターネットサービスと比較して、若年層や女性が多い点も特徴であるという。

 ブログ開設方法は、ASP型サービスを利用するユーザーが大半で、自らソフトウェアをインストールして開設する割合はわずかだとしている。また、書き込み状況に関しては、企画性の高いブログが増加し、影響度が高まっているとともに、ブログへの書き込みは社会的イベントに連動する傾向があるという。

 保有状況について同研究会は、新サービスや使い勝手の良さを求めてサービスを引っ越すユーザーが多く、1ユーザーが平均して2つ程度のサービスに登録していると見ている。一方、複数のブログを更新するユーザーはわずかで、一般ユーザーの増加で掛け持ち率は減少しているという。なお、ブログの更新状況は、コミュニティ要素が強いブログサービスほど頻度が高い傾向にあるとした。

 市場規模は2004年度が約6.8億円で、関連市場を含めた場合は約34億円と推計。また、2006年度には単体で約140.6億円、関連市場含め約1,377億円に達すると予測している。

 ブログサービスを提供する事業者数は115社で、ISP系やポータル・EC系、専業系、その他周辺サービス系事業者に分かれている。今後の動向としては、大半のブログサービスが無料で提供されているために、収益モデルの確立を課題として指摘。また、ポータル・EC系事業者、その他周辺サービス事業者は引き続きブログ事業に注力する見込みであるとする一方で、一部有力ISPを除いてISP系や専業系事業者はブログ運営が負担になり、事業者の淘汰・集約が進む可能性もあるという。


SNS参加者数は純数でも100万人強に。8割近くは知り合いとの間で利用

SNS参加者およびアクティブ参加者数
 国内SNSの参加者数は、2005年3月末時点で延べ約111万人で、掛け持ち分を考慮した参加者数は約105万人だとしている。また、月に1度はSNSを利用するアクティブ参加者数は約80万人だと推測している。

 今後の参加者数推移としては、企業などの会員組織のSNS化やブログユーザーの流入、SNSの汎用ツールとしての可能性を考慮して、2007年3月末に延べで約1,042万人、アクティブ参加者数は約751万人に達すると予測しているという。

 利用者特徴は、大手サービスでは年齢別で20代後半から30代前半が多く、職業別では大学生や大学院生の利用が多いとしている。また、利用目的として出会いの場や同じ趣味を持つ人のコミュニティとして利用しているユーザーは1~2割程度で、ユーザーの8割は知り合いとのコミュニケーションツールとして利用している点を挙げている。

 ブログとSNSの違いは、SNSはユーザーが同じサービスを利用している一体感がある、友人に誘われて参加するために比較的参加しやすい、受動的に続けることが可能だという点があると指摘。また、利用頻度は大手サービスで最終ログインから3日以内に再ログインするユーザーが7割を超えているとしているほか、1日に約10万の日記が更新されているとした。なお、同特徴は、事業者ヒアリングや報道各社のニュース、SNS「mixi」を運営するイー・マーキュリーの2004年11月30日付けのプレスリリースなどに基づいている。

 SNSサービスを提供する事業者は2005年5月現在で75社あり、専業系が大半。ほか、ポータル・EC系や一般事業者が提供するとした。今後の動向としては大手事業者を含めて収益モデルが確立していないことから、中小の専業系事業者を中心に淘汰が進むと見るほか、一般事業者が顧客の囲い込みを目的に会員組織をSNS化するケースが増加するとも予測している。

 同研究会では引き続き検討を進め、6月をめどに最終の取りまとめを行なう予定。


関連情報

URL
  総務省 報道資料
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050517_3.html
  関連記事:イー・マーキュリー、SNS「mixi」のユーザーが11月25日に20万人を突破[BroadBand Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/7654.html


( 村松健至 )
2005/05/17 19:31

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