金融庁は20日、みちのく銀行が4月に顧客情報を含むCD-ROMを紛失した事件に対して、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)に基づいて是正措置を求める勧告を行なった。個人情報保護法が4月に全面施行されて以来、初の是正勧告となる。
みちのく銀行は4月22日、約131万件の顧客情報が記録されたCD-ROMを紛失したことを公表していた。顧客情報が記録された3枚のCD-ROMが所在不明となっていることが4月20日に判明し、CD-ROMには顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日、年齢、預金残高、貸出金残高などの情報が記録されていたという。みちのく銀行では、CD-ROMは誤って破棄した可能性が高いとしている。
金融庁では、個人情報保護法に基づいて報告を求めたところ、個人データの移送の際に銀行内の規定通りに取り扱われていない事例が認められたほか、従業員に対する監督が不十分であるなど、個人データに関わる安全管理措置などに重大な問題があることが認められたとしている。このため、金融庁では個人情報保護法に基づき、みちのく銀行に対して是正勧告を行なった。個人情報保護法が4月に全面施行されて以来、初の是正勧告となる。
勧告では、個人データの安全管理のための措置の実効性の確保と、個人データの安全管理を図るための従業者に対する監督の徹底の2点について、必要な措置をとることを求めている。また、これらについてとった措置を、6月20日までに報告することとしている。
20日には、東北財務局からもみちのく銀行に対して、銀行法に基づく行政処分が発表されている。東北財務局では、2002年6月および2003年9月に法令等遵守に関する業務改善命令を出していたが、横領事件などの不祥事に対して事実と異なる報告が行なわれていたことや、4月に個人データの紛失があったことを受けて、銀行法に基づいて法令遵守体制の確立などを求める行政処分を行なった。
関連情報
■URL
株式会社みちのく銀行に対する行政処分等について(金融庁)
http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/ginkou/f-20050520-1.html
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・ みちのく銀行、131万件の顧客情報入りCD-ROMを紛失(2005/04/22)
( 三柳英樹 )
2005/05/20 18:54
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