世界最大のコンピュータ学会であるAssociation for Computing Machinery(ACM)は24日、慈善事業を行なうグリッドプロジェクト「World Community Grid」に同学会が参加する意向を表明した。世界100カ国以上の8万人以上の学会員に対して、使用しているコンピュータの空き時間を提供するよう呼び掛けていく。
World Community GridはIBMによって維持・運営されている慈善的グリッドプロジェクトで、コンピュータの空き時間を医学や環境問題などの研究に活用し、人類が抱えている諸問題を解決することを大きな目標としている。設立以来6カ月間ですでに1万年分以上の計算時間を無償で提供しており、参加したコンピュータの数は個人、商用を含め10万6,000台を超えたとしている。
例えば、「Human Proteome Folding Project」ではタンパク質の折り畳み問題に関する膨大な計算を行なっているが、スポンサーとなっているInstitute for Systems Biology自身で計算を行なうとすれば、終わるまで10万年以上がかかると見積もられていた。しかし、このグリッドプロジェクトが参加したおかげで現時点ですでに60%の計算が終了しているという。
World Community Gridに参加するには、同プロジェクトのサイトからソフトウェアをダウンロードしてインストールすればよい。対応環境はPentium 200MHz以上、128MBのRAM、50MB以上の空き容量を持つ600MB以上のHDD、40kbps以上のインターネット接続、Windows XP/2000/Me/98となっている。なお、World Community GridにはACM学会員以外でも参加できる。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.acm.org/membership/worldcommunitygrid.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/05/25 12:51
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