米Websenseは23日、ウイルスに感染したPCのHDDやネットワークドライブ上にあるファイルを勝手に暗号化し、そのデコードツールを売り付けようとする新手の攻撃が報告されたと発表した。ウイルス対策ベンダーでも、トロイの木馬型ウイルス「Trojan.Pgpcoder」(シマンテックによる呼称)などとして警告している。
Websenseによると、このウイルスはInternet ExplorerのHTMLヘルプの脆弱性「MS04-023」を突いて感染するという。悪意のあるサイトを訪れたユーザーのPCにまずダウンローダがインストールされ、このダウンローダがさらに別のサイトからPgpcoderをダウンロードして実行する。
シマンテックによると、Pgpcoderは感染したPCのレジストリを改変するとともに、「.doc」「.html」「.jpg」「.txt」「.zip」など15種類の拡張子のファイルを検索。暗号化して判読できないようにし、オリジナルファイルは削除してしまう。
そして、暗号化したファイルのあるすべてのディレクトリに「Attention!!!.txt」というファイルを残す。このファイルには「いくつかのファイルは暗号化した。デコーダーを買いたければメールしろ」というメッセージとともに、yahoo.comドメインのメールアドレスが記されている。暗号化ルーチンが完了すると、最後にPgpcoderは自分自身を削除する。
Websenseによれば、デコードツールは200ドルで、e-goldのオンライン口座に振り込むよう連絡があるという。
なお、シマンテックではPgpcoderの危険度を5段階中で最も低い“1”と判定している。また、Trend Microでも「TROJ_PGPCODER.A」として警告しており、ダメージを“高”と判定しているが、感染報告は今のところ1件もない。
関連情報
■URL
Websenseのニュースリリース(英文)
http://www.websensesecuritylabs.com/alerts/alert.php?AlertID=194
シマンテック「Trojan.Pgpcoder」
http://www.symantec.co.jp/region/jp/avcenter/venc/data/jp-trojan.pgpcoder.html
Trend Micro「TROJ_PGPCODER.A」(英文)
http://www.trendmicro.com/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=TROJ_PGPCODER.A
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( 永沢 茂 )
2005/05/25 16:17
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