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米Yahoo!、機械学習を応用したサーチエンジン「Yahoo! Mindset」ベータ版


「Yahoo! Mindset」の検索結果ページ
 米Yahoo!は27日、同社の実験的な技術を公開するサイト「Yahoo! Next」において「Yahoo! Mindset」ベータ版を公開した。人工知能の一分野である機械学習と文章の分類技術に関してYahoo!が培ってきたものを、サーチエンジンの分野に応用したものだという。

 Yahoo! Mindsetは普通のサーチエンジンと同様にキーワードを入力して検索できるが、検索結果にバイアスをかけることができるのが特徴だ。ショッピング(shopping)に重点を置くか、それとも情報収集(researching)に重点を置くか、スライドバーを操作して検索結果の表示内容を変えられる。

 それぞれのページは、完全にショッピングであるとも情報収集に役立つとも言えないことがある。商品説明が充実しているページからは商品を買うこともできるが、その商品の情報収集に役立つこともあるだろう。そのためYahoo! Mindsetでは、リストアップされたページのリンクの下に、そのページがどちらにどの程度重点を置いたものかを青または赤のバーで表わすようになっている。さらにスライドバーを左右に操作することによって、どちらにどれだけバイアスをかけるかをユーザーが調整できる。

 Yahoo!では、Yahoo! Mindsetを同社の機械学習に関する研究成果と位置付けている。機械学習とは人工知能の一分野で、人間によって与えられた初期データに基づいて自動的に学習し、その結果によってさらに自分自身の能力を向上させていくことができる装置に関する研究だ。Yahoo!は機械学習とテキストの分類技術を融合させることでサーチエンジンを改良するための研究を行なってきた。

 Yahoo! Mindsetに与えられた初期データは文章の専門家ではなく、Yahoo!の研究者が与えている。今後、初期データの与え方にチューニングを施すことによってより正確に分類できる余地があるという。また、今回はショッピングと情報収集という区分を付ける目的で機械学習が用いられているが、ユーザーからのフィードバックによってYahoo! Mindsetの応用範囲が変更される可能性もある。

 Yahoo!はYahoo! Nextの開設後、精力的に新技術を導入し、ベータ版であっても積極的に公開することによってテクノロジー重視の姿勢をアピールしている。ベータ版という形をとってはいるが、「機械学習の研究成果」としてYahoo! Mindsetを発表したのはその一例と言えるだろう。


関連情報

URL
  Yahoo! Mindset(英文)
  http://mindset.research.yahoo.com/
  Yahoo! Next(英文)
  http://next.yahoo.com/


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/05/30 14:24

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