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総務省、電気通信番号の研究会報告書案を公開~FMCやENUMも検討課題に


 総務省は17日、「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の報告書案を公開した。意見募集を7月15日まで行ない、寄せられた意見を踏まえて7月中旬をめどに研究会の最終会合を開催、報告書をとりまとめる。

 この研究会は、固定電話サービスの新規参入、固定電話と同じ番号を使用する0AB~J番号のIP電話など電話を取り巻く環境が変化していることから、固定電話の番号のひっ迫対策や電気通信番号の在り方について検討を行なうもの。2004年12月22日に研究会の第1回会合が開催されている。

 報告書案では、電話ネットワークのIP化により地理に依存しない通話料金の均一化や低廉化、サービス内容の多様化や新サービスの登場などの変化が生じているとした上で、「サービスの識別」「通話品質の識別」「社会的信頼性の識別」は今後も引き続き維持する必要があると指摘。地理的条件に関しては一定の地理的識別は維持する必要があるものの、番号区画の数や広さは今後検討が必要であり、市町村合併などの単位見直しに合わせて番号区画の変更や統合を進めることが適当とした。

 電話番号で市内か市外か、または固定か携帯かを確認して料金を識別できる点に関しては「ニーズは低下しているがIPとアナログの併存期には必要」「サービス間で料金が異なる場合はある程度の識別が必要」と指摘。また、今後の検討課題として、固定と携帯が融合したFMC(Fixed Mobile Convergence)」のサービスイメージの明確化や利用する番号の検討を行なうべきとしている。

 固定電話番号の需要予測は、2005年4月1日時点での2億5,500万番号に対して、20年後の新規番号需要は約1億4,400万番号に上ると予想。ただし、新規需要の約7割が番号ポータビリティのための二重番号であり、二重番号を使用する場合は20年後に202区域で番号がひっ迫するが、二重番号を使用しない場合は54区域でのひっ迫に留まるという。

 総務省ではこのことから、二重番号の利用を取りやめれば既存のひっ迫対策で番号需要は対処可能だが、二重番号を利用する場合は、市外局番の桁ずらしといった従来の対策では回避不可能とコメント。2~3年をめどに二重番号の使用を解消する必要があるほか、暫定的対策として番号ポータビリティの裏番号に利用者番号として利用できない空局番(042地域では042-0xx-xxxx、042-1xx-xxxxなど)の使用が適当とした。

 そのほかの検討課題としては、電話番号をドメイン名で表記することでインターネット上のアプリケーションなど複数のサービスに対応できるENUMにも言及。これまでは独自ドメインで実施されていたENUMトライアルを、ITUで決められたドメイン名を利用して国際的な枠組みでのトライアルを今後実施する方針という。

 また、1XY番号を新規サービスの営業案内に利用する点については「利用者利便の観点から問題はない」「事業事の1XY番号付与は番号容量が確保できないため適当ではない」とした上で、「営業案内に利用する番号の桁数差が公正競争上問題があるか」「新規サービスの受け付けを1XY番号以外に統一することの利用者への影響」について検討が必要とした。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050617_4.html

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( 甲斐祐樹 )
2005/06/20 13:40

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