大阪市は21日、花博記念講演鶴見緑地展望塔(いのちの塔)の会員約30万人分の個人情報をコピーしたPCが盗難に遭ったと発表した。詳細は不明だが「ISO規格で認証されたセキュリティが施されており、データが流出する可能性は極めて低い」という。
いのちの塔は、1990年に開催された国際花と緑の博覧会(花博)を記念して作られた高さ90mの塔で、建設費は市民から寄付を募った。なお、建設費を寄付した市民は、いのちの塔会員となり、写真やメッセージ、氏名、住所、電話番号、生年月日を登録。会員対象のサービスコーナーで会員番号や生年月日を入力することで、当時の写真やメッセージを閲覧できる。
今回盗難に遭った個人情報は、この建設費を寄付した市民約13万8,000人分の氏名、性別、郵便番号、住所、電話番号、会員番号や、その家族などの氏名、生年月日、性別、画像登録番号など約18万7,000人分。ただし、一部重複も含まれるため、合計では約30万7,000人分になるという。なお、こららのデータはコピーのため、現在でも会員向けサービスで写真やメッセージの閲覧は可能だ。
大阪市では花博終了後、いのちの塔の設備管理を大阪市公園協会に委託。同協会では、登録当時のアナログデータの劣化を防ぐため、2004年に三菱電機コントロールソフトウェア(MCR)に登録データのデジタル化を発注していた。
2005年4月以降、一部のデジタルデータが閲覧できない事態になったため、公園協会ではMCRにメンテナンスを依頼。自宅のPCにデータをコピーしていたMCRの社員宅で、6月13日夜にデータを保存していたPCが盗まれた。MCR社員は被害届を警察署に提出した後、6月15日に大阪市ゆとりとみどり振興局に第一報を報告。16日から18日にかけてMCRから大阪市側に説明があったという。
大阪市では「MCRとの契約約款には守秘義務契約についての記載はしていたが、運用が甘かった」とコメント。MCRでも「個人情報を持ち出すことは禁じていた。コピーする場合でも上司の許可が必要だったが、手続き上至らない点があった」と述べている。被害者に対しての補償や社員の処罰については、関係する部署や会社間で検討している。また、大阪市ではMCRに対し、契約を続行するかどうかを含めて、行政処分も視野に入れた処分を行なう予定だという。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.city.osaka.jp/yutoritomidori/report/park/20050620.html
三菱電機コントロールソフトウェア
http://www.mcr.co.jp/
( 鷹木 創 )
2005/06/21 18:08
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