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5月12日に配信されたニュージーランド付近の画像(NICT提供)
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情報通信研究機構(NICT)が、人工衛星「マイクロラブサット1号機」から撮影した地球の画像をメールで配信するサービスを提供している。27日には、日本付近を通過する同衛星から撮影した画像をリアルタイムに配信する予定だ。
このサービスは、NICTの先進衛星技術実証グループが3月から提供しているもの。これまでに試験配信を含めて4回にわたって実施され、南アフリカ共和国付近、ヒマラヤ山脈付近、米国東部、ニュージーランド付近の画像がそれぞれ数枚ずつ配信された。ただし、これらは撮影した画像を衛星内に蓄積しておき、日本から電波が届く位置に衛星が回って来た時に地上からデータを取得する「ストアード撮像」という方法で配信されていた。
これに対して今回は、このサービスで初めて「リアルタイム撮像」による方法が取られる。日本から電波の届く範囲に衛星がやって来た時に画像を撮影し、地上にデータを送信。その画像をほぼリアルタイムにメールの添付ファイルとして配信する。マイクロラブサット1号機が日本付近を通過するのは、27日午前11時頃の予定だ。
サービス提供は9月までを予定しており、メールアドレスを登録することで配信を受けられる。画像はJPEG形式で、PC用(640×480ピクセル)または携帯電話用(160×120ピクセル)からサイズが選択できる。
マイクロラブサット1号機は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した直径約70cm、高さ約50cmの小型衛星。2002年12月に打ち上げられ、約800kmの高度を飛行している。一方、NICTの先進衛星技術実証グループでは、人工衛星のメンテナンスなどを行なうシステムに必要となる低消費電力の小型カメラや画像処理コンピュータの研究・開発を手がけている。マイクロラブサット1号機には、ゲーム機などに利用されるCPUやデジタルカメラのCMOSをほぼそのまま用いたシステムを搭載しており、2003年1月にはこれら民生機器を利用したシステムで衛星軌道上から画像を取得する実験に成功していた。
関連情報
■URL
サービス概要
http://sstg.nict.go.jp/sims/index.html
NICT 先進衛星技術実証グループ
http://sstg.nict.go.jp/index.html
( 永沢 茂 )
2005/06/24 19:56
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