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米MicrosoftがLonghornでRSSを全面採用へ、拡張仕様の公開も


 米Microsoftは24日、次期Windows OSの“Longhorn”においてRSSを全面的に採用し、各種機能に統合していくと発表した。さらに同社は、RSSを一部拡張した仕様をクリエイティブコモンズライセンスのもとで公開したことも明らかにした。

 Microsoftによると、LonghornではRSSフィードをアイコンによって簡単に発見でき、ブラウザでRSSフィードの内容を閲覧できるようになるという。さらにRSSフィードを購読する作業は、現在お気に入りにサイトを追加するのと同じくらい簡単にできるようになるとしている。

 また、RSSがLonghornに深く統合されることによって多くのアプリケーションへの応用が考えられるという。LonghornではRSSを「共通RSSフィードリスト」に保存する。これはWindowsの核となる機能の1つであり、すべてのアプリケーションの間で現在購読しているRSSフィードの情報を共有する。一度RSSフィードを購読すれば、別のアプリケーションからもすぐにでも利用できることになる。

 さらに、現在Podcastなどで使用されているRSSのエンクロージャーなどでやりとりされるデータを保存するための共通の場所が用意される。ここにはRSSを通して取得したテキストや画像、オーディオ、スケジュール、ドキュメントなどあらゆるものが保存される。これらのデータはWindowsで使用するすべてのアプリケーションから共通して利用できるようになる。

 これら共通の仕組みを利用するための「RSSプラットフォームシンクロエンジン」も用意される。これは、RSSで使用されるデータやエンクロージャーを自動的にダウンロードするためのエンジンである。このエンジンは効率的に設計されており、利用者のネットワーク帯域を考慮に入れつつアイドルタイムにダウンロードできるようにする。このようにLonghornにはRSSが本格的に統合され、これまで別々のアプリケーションから利用しなければならなかったものが、1つのプラットフォームとして用意されることになることがわかる。

 Microsoftはまた、RSSの仕様そのものを一部拡張する「シンプルリストエクステンション」を発表した。RSSをニュース配信用としてだけではなく、順位を付けられた一連のデータを配信するために利用するものだ。仕様そのものがRSS2.0仕様が公開されたのと同じ方法、つまりクリエイティブコモンズライセンスを使用して公開される。これにより、誰でもこの仕様を土台にして新しい製品を開発することができるようになる。

 シンプルリストエクステンションは、時系列の内容をRSSで配信できるようにするものだ。これまでRSSでは単に最後に配信されたデータを順番に積み上げていくことしかできなかったが、この拡張を採用すれば音楽ダウンロードサイトの上位10曲のリストやAmazon.comのベストセラーリスト、オンラインショップの注文状況など、時間や順番が関連する情報をRSSで容易に配信できるようになるという。

 この拡張仕様をクリエイティブコモンズライセンスで配布することについて、同ライセンスの発案者でもあるスタンフォードロースクールのローレンス・レッシグ教授は「Microsoftの知的財産をめぐる柔軟性は広範囲のコンテンツ出版社やRSSコミュニティ全体に対してポジティブなインパクトを与えることになるだろう」と賞賛している。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/jun05/06-24RSSIntegrationPR.mspx
  開発者向け情報(英文)
  http://msdn.microsoft.com/longhorn/understanding/rss/default.aspx
  IE公式ブログの該当記事(英文)
  http://blogs.msdn.com/ie/archive/2005/06/24/432390.aspx


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/06/27 12:41

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