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日本における産学連携の推進組織「マイクロソフト産学連携研究機構」

「技術革新の“窓”を研究機関に提供する」とゲイツ氏

Microsoftのビル・ゲイツ会長
 マイクロソフトはおよびマイクロソフトの基礎研究所であるマイクロソフトリサーチセンター(MSR)は、日本における産学連携の推進組織「マイクロソフト産学連携研究機構」(Microsoft Institute for Japanese Academic Research Collaboration:以下IJARC)を7月1日に設立する。28日には米Microsoftの会長でチーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が産学連携の取り組みについて発表した。

 冒頭、挨拶したビル・ゲイツ氏は「Microsoftでは基礎研究活動に力を入れてきているが、世の中で進化といえるものの大半が、Microsoftから生まれるとは思わない。それは、大学などの研究機関から誕生することもある。今回のプロジェクトは、我々は技術革新の“窓”を大学・研究機関に提供するものだと考えている。学生も、より多くのリソースで研究に励めるのではないか」と産学連携についての意気込みを示した。

 IJARCでは、MSRと日本の大学・研究機関との相互交流を通じて、先進的なテクノロジーや日本の市場ニーズに対応したテーマに関する共同研究を推進。具体的には、研究者で構成されるアカデミックアドバイザリーコミッティ(顧問委員会)とその議長であるディレクター職を設け、学術的かつ戦略的な研究プロジェクトを選定する。また、プロジェクトごとにMSRの担当研究員が配置され、研究テーマや研究プロセスに関して、大学の研究者への助言を行なう。


東京大学の池内克史教授
 研究プロジェクトを選定するアカデミックアドバイザリーコミッティには、ディレクターとして東京大学の池内克史教授が任命された。そのほか、大阪大学の西尾章治郎教授、慶應義塾大学の徳田英幸教授、京都大学の湯淺太一教授、早稲田大学の村岡洋一教授(早稲田大学副総長)らが委員に就任した。

 アカデミックアドバイザリーコミッティのディレクターを務める池内氏は、IJARCにおける最初の共同研究として「ユビキタス環境下でのマルチインターフェイスの開発を1つの切り口と考えている」とコメント。現時点では、日常品を用いた家電操作のためのインターフェイスを研究する東京大学の五十嵐健夫教授プロジェクトや、グラフィックスサーチ分野や自然言語処理分野でのプロジェクトの準備を進めているという。

 なお、マイクロソフトではIJARCを通じて、東京大学と早稲田大学との提携関係をさらに発展させることも発表した。これにより、学術交流やインターンシップ、IT教育支援、共同研究、研究助成などを実施する。


手前からマイクロソフトのマイケル・ローディング社長、MSRアジアのハリー・シュム所長、Microsoftのビル・ゲイツ会長、東京大学の池内克史教授、東京大学の桐野豊副学長、早稲田大学の村岡洋一副総長 共同研究の仕組み

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2332

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( 増田 覚 )
2005/06/28 15:07

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