ベスト電器は、Yahoo!ショッピング内の「ベスト電器新宿店ネットショップ」で液晶テレビに関する価格の誤表記があった件について、8日までに注文を受けた約6,400人に対して1,000円分の郵便為替を送付することを明らかにした。
価格の誤表記があったのはソニーの液晶テレビ「ハッピーベガ KDL-S23A10」で、153,000円と表示すべきところを、1ケタ少ない15,300円と表記した。5日午後10時頃から6日午前8時頃まで掲載され、この間に合計40,816台(注文件数は約6,400件)の注文が殺到していた。
これに対してベスト電器では購入申し込みは受けられないとしていたが、現在までにメールなどで1,000~2,000件の問い合わせが相次いだだめ、注文者に対して1,000円分の郵便為替を送付することを決定した。
ただし、ベスト電器ではあくまで「商品に関する契約自体は成立していない」という考え。1,000円分の郵便為替については「商品ページのプリントアウトや問い合わせに関わる通信費など実費に対するお詫びとして送付する」。
このような価格誤表示については、表示価格に関する「錯誤に基づく契約無効」として処理できるケースがある。次世代電子商取引推進協議会のネットショッピング紛争相談室では「PCや家電製品のようなメーカー製品であれば、一般流通価格も比較的安定しており、極端に安価での販売はされないと考えられる。そのような商品が、例えば『激安』『限定』といったコピーが特に無く、一般流通価格の1/10以下の値段表記がされていたとなれば、注文者はその価格が誤表記であると認識した上で注文をしたと推測できる」という。このような「価格の掲載ミスを消費者が認識していた」場合においては、例外的に「錯誤に基づく契約無効」を主張できるとしている。
なお、過去に「丸紅ダイレクト」が198,000円のPCを19,800円と表記して、そのまま販売してしまった前例がある。
【追記 18:50】
「契約が成立していない」という点についてベスト電器では「契約が成立するには、最終的にベスト電器のシステムからのメールを確認いただく必要がある。今回、注文を受けた利用者には、当社システムからのメール以前の段階であるYahoo!ショッピングのシステムによる自動返信メールのみが送信されており、契約そのものが成立していない」と説明している。
また、今回の問題が発生した後にベスト電器新宿店ネットショップトップページに記載のあった「安さに徹底的に挑戦」などの文言を削除した件については、「問題発生後にお詫びを掲載したものの、『まだ、安さに挑戦しているのか』『いったい何に挑戦するつもりか』といったクレームが相次いだため削除した」という。
【お詫びと訂正】
追記部分の初出時に「契約が成立するには、最終的にベスト電器のシステムからのメールに返答いただく必要がある」と記載いたしましたが、「メールに返答いただく」ではなく「メールを確認いただく」の誤りでした。読者ならびに関係者にはご迷惑をおかけいたしました。お詫びして訂正いたします。
関連情報
■URL
ベスト電器
http://www.bestdenki.ne.jp/
通販価格誤表示問題に関するネットショッピング紛争相談室の考え方
http://www.ecom.jp/adr/ja/topics/tp_03.htm
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( 鷹木 創 )
2005/07/11 16:32
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