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幹部の引き抜きを巡って米Googleと米Microsoftが法廷闘争へ


 米Googleは19日、新たに中国に研究開発センターを設置することを発表したが、同研究所長のKai-Fu Lee氏を米Microsoftから引き抜いたことでMicrosoft側が反発。問題は早くも法廷闘争に持ち込まれた。

 Googleによると、研究所は2005年第3四半期にオープンする予定で、中国にいる才能のある研究者を雇用しつつ、地元の大学や研究機関とも提携する意向だ。研究所長に就任するLee氏はカーネギーメロン大学準教授、米Apple Computer、米Silicon Graphics副社長を経てMicrosoftに入社。1990年代後半にMicrosoft Research Chinaを設立し、コーポレートバイスプレジデントに就任した。同氏の専門分野は音声認識と人工知能である。

 Googleの研究所長に就任するにあたってLee氏は「先進的なテクノロジーをすべてのユーザーが使用でき、かつ使いやすくすることと、活気に満ちた成長と革新を続ける今日の中国の一部分であることはいつでも私の目標であり続けた。Googleに入ることはこの両方の目的を達成することを可能にする唯一の方法であり、中国に戻ってこの興奮させられる冒険を始めることを楽しみにしている」とコメントを寄せた。

 一方、Microsoftはこの動きに即座に反応し、Lee氏がMicrosoftの従業員になる際に結んだ秘密保持契約と競争禁止合意書に違反するとして訴訟を起こしたと発表した。Lee氏とGoogleに対して、Lee氏が署名した両契約書の内容を尊重するよう求めている。

 Microsoftは「上級幹部としてLee氏は検索技術と中国のビジネス戦略に関わるMicrosoftの企業秘密に関する直接的な知識を持っている。彼は同じテクノロジーと戦略をセットにしている直接的な競合他社の地位を受諾したのであり、これは明確な契約上の義務に対する、とてつもない違反である」とコメントしている。

 Microsoftの主張に対して、Googleの広報もコメントを発表した。「我々はMicrosoftの主張を検討し、それにまったくメリットがないものと考える。Googleは素晴らしいイノベーターたちが働くための世界一の職場を創ることに焦点を合わせている。Lee氏がGoogleに来ることには、わくわくさせられる。我々はこれらのメリットもない主張に対して強力に抗議し、完全にLee氏をサポートする」と反論している。


関連情報

URL
  Googleのニュースリリース(英文)
  http://www.google.com/press/pressrel/rd_china.html
  Microsoftのニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/jul05/07-19GoogleStatement.mspx


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/07/20 12:33

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