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ドコモとJR東日本、Suicaの普及に向けて共同事業


左から、NTTドコモ 執行役員 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏、JR東日本 取締役 IT事業本部長の見並 陽一氏、NTTデータ 執行役員 法人ビジネス事業本部長の柳衛 寛重氏
 NTTドコモとJR東日本は、おサイフケータイで利用できる新クレジットサービスおよびSuica電子マネーが利用できる共用のリーダーライターなど、共通インフラの構築に向けて共同事業を行なっていくと発表した。

 発表された共同事業は、おサイフケータイの新クレジットブランド、およびSuica電子マネーなど共用のリーダーライターを開発するというもの。合わせてリーダーライターと各決済システムを接続する「共通利用センター」(仮称)といったシステムも構築する。これにより、導入企業の店舗ではSuica電子マネーとおサイフケータイの新クレジットブランドをひとつのリーダーライターで対応できるようになる。2005年中に具体的な仕様が決まり、2006年にも共同事業がスタートする見込み。

 28日には都内で報道関係者向けに発表会が行なわれた。出席したNTTドコモ 執行役員 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏は、Suica電子マネーの利用件数が順調に伸びていることや、おサイフケータイの普及速度の速さを紹介した後、「おサイフケータイはJR東日本さんから『モバイルSuicaをやらないか』と言われたのがきっかけ。今回の取組みは、Suicaの使える場所を増やしていくための合意」と述べて、共同事業の概要を説明した。共同事業を行なうに至った背景については「Suicaは普及していきているが、いろいろな方式の電子マネーがあり、店舗からは全部使えるのもの(リーダーライター)はないのか、という要望をいただいていた」と述べ、かねてから共用のリーダーライターへの需要があったことを説明した。

 Suica電子マネーと同じFeliCaを使用する電子マネー「Edy」については、今回開発される共用のリーダーライターでの利用を「前向きに検討していく」とし、「今回の2社がより共用端末の必要性を感じている」とした。また、Suicaに対応する予定のauのおサイフケータイについては、JR東日本 取締役 IT事業本部長の見並 陽一氏が「使えるようにしていきたい」と述べたものの、夏野氏は「他の事業者は現段階ではあまり関係がない」とするに止まった。


共同事業の概要 構築される共通インフラ

 このほか、NTTドコモ、JR東日本、NTTデータの3社で、Suica電子マネーの普及にむけて組合が設立されることも明らかにされた。これは、3社が出資して設立した組合が、Suica導入企業を資金面でサポートしていくというもの。具体的には、リーダーライターの設置費用やPOSシステムの改修費、後方システム開発費などの初期投資を組合が負担し、かわりに導入企業はSuica電子マネーが利用されると決済額に応じた手数料を組合に支払う。手数料は有限期間の支払いとなる。

 出資額は各社4億円、総額12億円で、8月1日より施行されるLLP(有限責任事業組合)法を活用したものとなる。設立は9月を予定する。

 組合については、JR東日本の見並氏より説明が行なわれた。同氏は「Suica導入企業を探していると、ほとんどの企業から導入の負担を軽くできないかと言われる」と組合設立の背景を説明。また、「Suicaを導入するリスクは3社で負うというもの」と述べて、Suica普及への心構えとした。


組合設立の背景 組合により導入企業の初期投資をサポート

関連情報

URL
  ニュースリリース(共同事業について)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/05/whatnew0728a.html
  ニュースリリース(組合設立について)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/05/whatnew0728b.html


( 太田亮三 )
2005/07/28 20:47

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