総務省総合通信基盤局は9日、「電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」の調査結果を発表した。
同調査は、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ジュネーブの6カ国6都市を対象にインターネット、国内電話、国際電話、携帯電話、国内専用線の5サービスの料金を比較調査したもの。調査時期は、基本的に2005年1月に行なっているが、以降に料金改定についての情報が入手できた場合は最新の料金を適用している。また、海外サービスの価格の円換算については2005年3月31日現在の為替レートを適用している。
インターネットのサービス料金では、ADSLについては1カ月間継続してインターネットに常時接続した場合を想定し、モデムなどの機器レンタル料金は含まない料金を比較。東京では、マイライン登録を行なった場合でNTT東日本の「フレッツ・ADSL 1.5Mタイプ」とぷららネットワークスの「フレッツ・ADSLセット」の組み合わせの場合で2,650円、フレッツ・ADSL モアIIIとフレッツ・ADSLセットの組み合わせで3,370円、Yahoo! BB 50Mが2,938円となっている。
一方、ニューヨークでは「Verizon Communications」(1.5Mbps)の場合で4,059円(37.95ドル)、ロンドンでは「BT Broadband」(2Mbps)の場合で5,023円(24.99ポンド)、パリでは「La ligne ADSL」(8Mbps)と「FT Wanadoo」の組み合わせで7,532円(54.35ユーロ)、デュッセルドルフでは「T-DSL 3000」(3Mbps)と「T-online DSL Flat3000」の組み合わせで8,953円(64.6ユーロ)、ジュネーブでは「Broadway ADSL 2400」(2.4Mbps)の場合で8,228円(92スイスフラン)となっている。このことから、日本でのADSLの価格が世界的に最も低廉な水準でありながら、速度面では理論値上で最大50Mbpsのサービスを提供するなど高水準であることが伺える。また、最大速度に基づいた1Mbps単位の料金でも、東京が最安値で1Mbpsあたり59円と最も安価となっている。
CATVインターネットでは、東京がイッツ・コミュニケーションズの「かっとびワイド」(30Mbps)が4,600円であるのに対し、ニューヨークの「Time Warner」(8Mbps)が8,016円(74.95ドル)、ロンドンの「Telewest Communications」(4Mbps)が8,554円(50ポンド)、パリの「noos」(10Mbps)が4,044円(34.9ユーロ)、デュッセルドルフの「Infocity」(2Mbps)が5,370円(44.5ユーロ)となっている。東京は、価格面ではパリに次いで低水準であったが、速度面では理論値上で最大30Mbpsのサービスを提供しており、通信速度をベースとして価格を比較すると最も低価格であるといえる。
IP電話サービスについては、東京は「BBフォン」が月額料金無料、通話料金が全国一律3分7.99円であるのに対して、ニューヨークの「Basic 500」が月額14.99ドルで国内通話が500分まで無料となっている。このほか、ロンドンの「BT Broadband Voice」が月額10.99ポンドで国内固定網向け通話が無料、パリの「FT Wanadoo」が月額20ユーロで国内通話が無料となっているなど、国内向け通話に無料通話を付加するサービスが見られ、日本と海外のIP電話サービスにおける料金体系の違いが垣間見える。なお、契約者数は、日本では2005年3月末現在で約830万人であるのに対して、アメリカが約100万人、イギリスが約5万人、フランスが約22万人、ドイツが約11万人であった。
関連情報
■URL
報道資料
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050809_4.html
■関連記事
・ 総務省調査、日本のADSL料金は世界でもっとも低廉な水準に(2004/09/02)
( 鷹木 創 )
2005/08/09 20:01
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