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ソフトバンクが競馬事業に参入、岩手県競馬組合と提携


 ソフトバンクグループと岩手県競馬組合は6日、岩手競馬に関する業務提携で合意したと発表した。2006年4月に競馬ポータルサイトを開設、インターネットや携帯電話での勝馬投票券購入を可能とするほか、全レースのブロードバンド中継も実施する。


インターネットでの馬券購入や全レースのブロードバンド中継を実施

ソフトバンクグループの孫正義代表(左)と増田寛也岩手県知事(右)

提供予定のサービスイメージ
 現在、日本競馬の売得金額は1997年度の4.7兆円をピークとして減少傾向が続いており、2000年度では4.0兆円にまで減少している。さらに地方競馬では1991年度の9,800億円以降減少が始まり、2001年度には売得金額が53%にまで低下。2000年には30あった競馬場も、現在では22にまで減少するなど厳しい状況にあるという。

 一方で、電話やインターネットによる勝馬投票は右肩上がりに成長しており、日本中央競馬会(JRA)では、売得総金額の42%を電話・インターネット投票が占めているという。これに対して、岩手競馬の電話・インターネット投票比率は3%に止まっている。

 2005年1月1日には競馬法が改正され、これまで認められていなかった勝馬投票券発売の民間委託が可能になった。岩手競馬組合ではこの改正を受けて、競馬人口の拡大と商圏を全国展開を目的としてソフトバンクと提携、インターネットを積極的に活用していく方針だ。

 今回の業務提携を踏まえ、2006年4月にはソフトバンクが競馬ポータルサイトを開設。勝馬投票券の販売に加えて出走馬、機種、オッズなどの関連情報を提供する。また、盛岡競馬場と水沢競馬場の観客席やパドックから、携帯電話を介した勝馬投票券の購入も可能になる。

 岩手競馬の全レースもポータルサイトでブロードバンド配信。レースの合間には岩手の観光情報などを配信し、観光客の増加も狙う。また、岩手競馬専門誌「テシオ」編集長によるブログを開設するほか、馬主やジョッキーなどのブログや掲示板などで競馬ファンとのコミュニケーションも図っていく方針。ガンホーエンターテイメントやNCジャパンなどグループのオンラインゲーム事業も利用し、ポータル上での競馬オンラインゲーム提供も予定されている。


1991年以降、地方競馬の売得金額は減少傾向に 電話/インターネットの売得金額は拡大傾向

動画配信のイメージ オンラインゲームも提供

インターネットで商圏や層を拡大、ビジネスチャンスを広げる

インターネットで競馬人口と商圏の拡大を図る
 岩手県競馬組合の管理者を務める増田寛也岩手県知事は、「景気の低迷が競馬の運営に影響し、売上が落ちている。これは地方競馬全体に通じる話で、岩手もその波から逃れられない」とコメント。ライブドアを含めた複数企業との提携を検討していたが、その中でも「国内最大のポータルやブロードバンドサービスなど、情報通信分野を代表する多角的企業であり、確実な決済機能も持っている」との理由からソフトバンクを選択。「何よりも競馬に対する深い理解と洞察力がある」とソフトバンクグループの孫正義代表を評し、「岩手競馬を全国に発信していくためのベストパートナー」と期待を寄せた。

 ソフトバンクグループの孫正義代表は「最近では20〜30代の層が競馬から離れているが、実際にはコンピュータの競馬ゲームなどはこの層にも受け入れられており、やりようによっては十分にニーズを掘り起こせる」とコメント。「イー・トレード」でインターネット株式売買事業を立ち上げた時期を振り返り、「当時『株はインターネットで取り引きするものではない』『50〜60代の主要層はインターネットを使わない』などの意見があったが、今では個人投資家の8割がインターネットを利用している」とし、「馬券も本質的には同じ。インターネットを積極的に取り入れることで、大きなビジネスチャンスが生まれる」と語った。

 岩手競馬との提携交渉は半年前から進んでいたが、孫代表は「お話をいただいたとき、ソフトバンクとして本格的に取り組んでいいのか一瞬悩んだ」とコメント。「競馬の収益の分配金は医療や畜産振興、福祉などの社会貢献に対して行なわれている事業という根本であり、社会、特に地方財政にとっての財源ということを考えた時、これは積極的に取り組むべきだろうと考えた」と、提携の経緯を語った。

 岩手競馬の売得金額は1991〜1992年の700億円をピークに減少しており、2004年度は320億円。増田知事は「2005年度はもう少し下がって300億円程度を見込んでいるが、2006年度はインターネット投票で10億円程度を期待している。これを柱にして、将来的にはインターネット投票を80億円程度まで伸ばしていきたい」とコメント。孫代表は「岩手競馬を成功させた後、岩手競馬のご紹介を受けて他の地方競馬やJRAにも展開し、競馬全体の層を広げていきたい」との意気込みを示した。


「競馬事業は社会貢献でもある」と語る孫代表 業務提携の内容

関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.softbank.co.jp/news/release/2005/050906_0001.html


( 甲斐祐樹 )
2005/09/06 14:19

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