ソースネクストは13日、サン・マイクロシステムズ製オフィス統合ソフトの最新版「スタースイート 8」を9月30日に発売すると発表した。Windows XP/2000/Me/98/98SE、Linux Kernel version 2.2.13以降、glibc2 version 2.2.0以降に対応。通常価格は5,970円だが、5万本限定の特別価格版(3,970円)も用意する。
● 日本国内で30万本の販売実績を評価、最新版を世界に先駆け発表
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スタースイート 8ではOffice互換のRICHOフォントを13書体追加した
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「Access」に相当するデータベースソフト「Base」を追加した
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スタースイートは、ワープロソフト「Writer」、表計算ソフト「Calc」、プレゼンテーションソフト「Impress」、図形描画ソフト「Draw」などを統合したオフィススイート。最新版の「スタースイート 8」では、マイクロソフトのOfficeシリーズとの互換性を高めたほか、マイクロソフトの「Access」に相当するデータベースソフト「Base」を追加した。
互換性を向上させるためにOffice互換のRICHOフォントを13書体追加。表計算ソフトのCalcでは、行数をExcelと同じく65,536行まで利用できるようになった。プレゼンテーションソフトのImpressでは、PowerPointのスライドエフェクトを全種類サポート。これまで課題だった動きのあるPowerPointによるプレゼンテーションもImpressで再生できるようになったという。
なお、データベースソフトのBaseに関しては、Accessで利用しているマクロを移行するためのツールも法人やシステムインテグレーター向けに提供する予定だ。
「スタースイート(海外名「StarOffice」)は世界中で販売されているが、その中でも日本は最も売れている地域だ」とサンの杉本博史取締役(マーケティング統括本部長)。ソースネクストによれば、これまで販売してきた「スタースイート 7」のパッケージ版は約30万本に達する。「そうした実績をサンの本社でも評価」(杉本氏)し、米国本社でも発表していない最新版のスタースイート 8をソースネクストが世界に先駆けて発表することになったのだという。
このほか、サンによればスタースイート 8の機能は、現在ベータ版が公開されているフリーのオフィスソフト「OpenOffice.org 2.0」と同等のものだという。ただし、スタースイート 8に追加されたフォントなどはオープンソースではないため、OpenOffice.org 2.0には反映されないとしている。
● 低価格なプレゼンテーションソフトでPowerPointに挑む
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プレゼンテーションソフトのImpressを単品で「超五感プレゼン」として販売。握手するソースネクストの松田社長(左)とサンの杉本取締役
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ソースネクストとサンではさらに、プレゼンテーションソフトのImpressを単品で「超五感プレゼン」として12月9日から販売する。Windows XP/2000/Me/98/98SE、Linux Kernel version 2.2.13以降、glibc2 version 2.2.0以降に対応。価格は1,980円だ。
ビジネスでは必須になっているPowerPointだが、個人向けPC市場の555万台においては「年間16万本から18万本しか売れていない」(ソースネクストの松田憲幸代表取締役社長)。ソースネクストが、9月5日から6日にかけてインターネットユーザーに対して実施したプレゼンソフトに関する調査(有効回答数496件)によれば、プレゼンソフトへの不満は「値段が高いこと」が46.5%を占めたという。
そこで「超五感プレゼン」の価格を、「PowerPoint 2003」実勢販売価格の10分の1を下回る1,980円に設定。マイクロソフトが99.7%を占めるというプレゼンソフト市場で、2006年にトップシェアを目指す。
超五感プレゼンの「超五感」とは、作成したプレゼンテーションが「五感に訴える」と「互換性に優れる」のダブルミーニング。PowerPointにはない、PDF形式やFlash形式で保存できるImpress独自の機能も搭載する。
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「超五感」とは、作成したプレゼンテーションが「五感に訴える」と「互換性に優れる」のダブルミーニング
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マイクロソフトの圧倒的シェアを低価格なプレゼンソフトで突き崩すという
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このほか、Eugridが開発した情報漏洩対策ソフト「データプロテクト」を10月14日に発売。こちらの価格は1,980円で、Windows XP/2000/Me/98/98SEに対応する。あらかじめ設定したフォルダに保存されたファイルを自動的に暗号化することが特徴だという。暗号化アルゴリズム「RC4」を採用している。
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Eugridが開発した情報漏洩対策ソフト「データプロテクト」
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あらかじめ設定したフォルダに保存されたファイルを自動的に暗号化することが特徴だという
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● 「鬼武者 3 PC」など29本のソフトでPCゲーム販売にも注力
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カプコンとの販売提携の第一弾となる「鬼武者 3 PC」
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ソースネクストでは、オフィススイートやユーティリティソフト以外にもPCゲームで販売シェア拡大を目指す。まず、カプコンとPCゲーム市場で販売提携し、カプコンの低価格版PCゲームソフトをソースネクストの「Quality」シリーズで発売する。第一弾は11月25日に発売するアクションゲーム「鬼武者 3 PC」。価格は3,980円で、Windows XP/2000に対応する。
このほかにも、サイバーフロントの「A列車で行こう4 XP対応版」(2,970円)、「スペースインベーダーX」(1,980円)、「レイクライシス」(1,980円)、「餓狼伝説3」(1,980円)、「真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変」(1,980円)など16本、日本ファルコムの「イース I 完全版」(2,970円)、「ソーサリアン オリジナル」(2,970円)、「ロードモナーク・オリジナル」(1,980円)など9本、電遊社の「SHADOW FLARE I」(1,980円)など3本、オーバーランドの「笑傲江湖」(5,800円)など全部で29本のゲームソフトを9月22日から順次発売する。
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サイバーフロントの16タイトル
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日本ファルコムなどのメーカーとも提携
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ソースネクストでは「みんなわくわくパソコンソフト」をスローガンに、主な販売価格帯が1,980円という「コモディティ戦略」を2003年2月に開始。2005年7月には累計販売本数が1,000万本を突破したという。「PCの可能性を信じている」という松田社長は「携帯電話がもてはやされているが、PCの性能は無限大だ」とコメント。低価格と25,000店舗の販売チャネルによって、PCソフトを身近にしたコモディティ戦略の有効性をアピールした。
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2005年7月には累計販売本数が1,000万本を突破
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PCゲームソフトでも2006年に販売シェア1位を目指すという
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関連情報
■URL
「スタースイート 8」のニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/050913_starsuite8.html
「超五感プレゼン」のニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/050913_gokan.html
プレゼンテーションソフトの使用実態調査結果
http://www.sourcenext.info/sp/press/050913_enquete.html
カプコンとの販売提携に関するニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/050913_capcom.html
「鬼武者 3 PC」のニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/050913_onimusya3.html
PCソフト累計出荷本数1,000万本突破のニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/050913_commodity.html
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( 鷹木 創 )
2005/09/13 18:33
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