米Googleが米Microsoftの元幹部Kai-Fu Lee氏を引き抜いたことをめぐり、MicrosoftがGoogleを訴えていた裁判で、ワシントン州の裁判所は13日、職務を限定した上でLee氏がGoogleで働くことを認める決定を下した。
Googleは、Lee氏を中国に開設予定の研究開発センターの所長に就任させようとしていたが、MicrosoftはLee氏がMicrosoftの検索技術および中国戦略の企業秘密を直接知る立場にあったとして、同氏の引き抜きを「守秘義務違反」と主張していた。
7月28日には、裁判所によりLee氏がGoogleでの業務に就くことを差し止める仮処分が下され、2006年1月から開始される予定の本審理に先立つ予備審理が行なわれていた。予備審理の決定は、本審理までの間にLee氏がGoogleで働くことを認める一方、Lee氏が自然言語処理や検索技術の研究に携わることなどを禁止している。
Microsoftではこの決定を受け、「7月の仮処分よりも広範囲の禁止処分が下り、裁判所での勝利に満足している」とするコメントを発表している。一方、Googleも同社のブログで裁判所の決定を歓迎していると表明。Lee氏が中国の研究開発センター構築や、人材採用などの仕事に従事するとしている。
また、Googleではカリフォルニア州の裁判所に対して、Microsoftへの反訴を行なったことを明らかにした。Googleでは、カリフォルニア州や中国で働く従業員に対して、ワシントン州の雇用契約などを適用することはできないと主張しており、こちらの裁判は10月14日に最初の公判が開かれる予定。
関連情報
■URL
ワシントン州裁判所のページ(英文)
http://www.metrokc.gov/kcsc/rulings/msgoog.htm
Microsoftのニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/sep05/09-13GoogleStatementPR.mspx
Google Blogの記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2005/09/judge-clears-way-for-dr-lee.html
■関連記事
・ 元Microsoft幹部のGoogle中国研究所長就任に差し止め仮処分(2005/08/01)
( 三柳英樹 )
2005/09/14 16:07
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