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PUCCの代表理事副会長を務める慶應義塾大学の北川和裕氏
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有限責任中間法人Peer to Peer Universal Computing Consortium(PUCC)は16日、P2P技術とその応用に関する技術開発を行なうため、5つのワーキンググループを設置し、実質的な活動を開始したと発表した。
PUCCでは、デジタル家電や携帯電話などの機器を相互に接続し、高度なサービスを提供するための共通プラットフォームの実現を目指した研究開発を行なう。機器を接続するネットワークとしては、UPnPやDNLA、エコーネット、Bluetoothなど多くの規格があるが、PUCCではこれらのネットワーク上に共通のアプリケーションプロトコルを構築することで、さまざまな機器やネットワークで共通に利用できるプラットフォームの構築を目指す。
PUCCのワーキンググループでは、2007年の商用サービス開始を目標とした技術の研究開発を行なう。最初の1年は基本的な技術の開発、2年目は実証実験を中心に行ない、技術仕様の充実と運用技術の確立を目指すとしている。ワーキンググループは、「P2Pコアプロトコルとアーキテクチャ」「プリンティングサービス」「ストリーミングサービス」「セキュリティ」「情報家電制御」の5つが設置されている。
PUCCの参加企業としては、アプリックス、セイコーエプソン、NTTドコモ、日本エリクソン、日本ヒューレットパッカード、みあこネット、東芝などが名前を連ねており、各社がワーキンググループに参加する。AV機器などの情報家電とプリンターの接続、外部から家庭内のデジタル家電のリモート操作、携帯電話と家庭のテレビで連携して利用できるストリーミングサービスなど、機器同士が接続することで実現するサービスを想定した研究開発を行なう。
PUCCの代表理事副会長を務める慶應義塾大学の北川和裕氏は、「PUCCはUPnPやエコーネットといった既存のネットワークを否定するものではなく、そうしたネットワークの上に共通のアプリケーションサービスレイヤーを作り、共通に使えるようにするのが目的。商用サービスでの利用を前提とした研究開発を行ない、2年間で作業を完了することが目標」とコメントした。
16日にはPUCCの年次総会にあわせてワークショップが開催され、NTTドコモや京都大学、慶應義塾大学などで進められている研究や実証実験などが紹介された。NTTドコモ ネットーワークマネジメント開発部の石川憲洋氏は、NTTドコモの携帯電話とデジタル家電の接続実験を紹介し、「接続規格はたくさんあるが、AV機器、家電、プリンター、デジカメとばらばらの規格で、携帯電話と家電には共通したプロトコルがない。携帯電話で各規格を全部サポートするのは困難で、統一的なプロトコルが欲しい」として、PUCCへの期待を表明した。
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ホームネットワークの現状の課題
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NTTドコモが試作した携帯電話と家電を接続するシステムの概要
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関連情報
■URL
PUCC
http://www.pucc.jp/
( 三柳英樹 )
2005/09/16 18:38
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