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Google Printの図書館丸ごとデータベース計画、ついに法廷闘争へ


 米国在住作家の権利を代表する全米最大の業界団体Authors Guildが20日、Googleを相手取って集団訴訟を起こしたと発表した。

 今回の訴訟は、米ハーバード大学や英オックスフォード大学など米国や英国にある図書館の書籍を著作権者の許可なくスキャンし、検索可能にするというGoogleのライブラリ計画に異議を唱えるものだ。Authors Guildはこの計画について発表文で「大量著作権侵害」との大見出しを付けている。

 これに対してGoogleは同社公式ブログの中で「数百万の書籍を世界中から発見しやすくするための計画に関して、このグループが我々を訴える道を選んだことを残念に思う」とのコメントを発表した。Googleは同社が著作権を尊重していること、米国著作権法のフェアユースに則っていること、さらに著作権法の背後にある精神にも則っていることを強調している。

 現在、「Google Print」の検索結果やFAQに掲載されている内容を見ればわかるように、Google Printでは書籍の内容を1ページ丸ごと表示することはない。表示するのはページのうち検索キーワードが現われた一部分だけだ。また、その書籍に関する詳細な情報と販売している書店へのリンクも加えられている。こうしたことからGoogleは、Google Printにおけるスキャン作業の結果がフェアユースに則っており、パロディの制作や書評欄に利用される引用文と変わりがないことを強調している。

 訴訟になったことでこの問題は、法廷で結論が出されることになる。ただし現在のところ、Googleによる大量著作権侵害であるとのAuthors Guildの主張はインターネットユーザーの間では大勢としては受け入れられていないようだ。現実にGoogle Printによって書籍を丸ごとコピーするようなことができないことから、この件について検討している一部の法学者もGoogle寄りの見解を表明している。


関連情報

URL
  Authors Guildのニュースリリース(英文)
  http://www.authorsguild.org/news/sues_google_citing.htm
  Google Blogの該当記事(英文)
  http://googleblog.blogspot.com/2005/09/google-print-and-authors-guild.html

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/09/22 13:42

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